保護した猫は「我が家のセラピスト」…医療の仕事で張り詰めた気持ちや子供が巣立つ寂しさを癒してくれる
1匹猫を飼っていたので、2匹目の猫を探していたわけではない。しかし、職場の同僚が保護猫を見に行くのに付き合った時、偶然1匹の猫に出会う。先住猫も1匹で留守番しなくていいし、猫なら2匹飼える。2匹の猫との暮らしは癒しに満ちていて、猫なしでの暮らしは考えられなくなった。
■同僚が「私も猫を飼いたい」と
2017年9月、転勤で愛知県に来た同僚の家の庭で野良の母猫が子猫を2匹産んだ。しばらく母猫が子猫を育てていたが、11月に同僚が子猫を保護。母猫の捕獲はなかなか思うようにいかなかったが、後に保護したという。
愛知県に住む長谷川さんは、さくらちゃんという猫を保護して飼っていた。可愛いとは思っていたが、2匹目を飼うつもりはなかった。職場の同僚にさくらちゃんのことを話すと、同僚は「私も猫を飼いたい」と言った。転居して間もないため友人も少なく、子供もいなかったので寂しさもあったようだった。
長谷川さんの知人が猫の里親を探していたが、連絡をしてみると既に里親が決まっていた。別の知人の知り合いだったAさんが里親を募集していることを知り、同僚に付き添って見に行くことにした。
■子猫が1匹ではなく2匹いた
ドラッグストアの駐車場でAさんと落ち合い子猫を見せてもらうと1匹だと思っていたのに2匹いた。同僚は1匹飼いたいと言ったが、1匹残ることになる。
「猫を飼うつもりはまったくなかったのですが、1匹だけ残ってもかわいそうだと思い、私が飼うことにしました。先住猫、さくらも日中1匹で留守番するのはかわいそうだし、友達がいたらいいなと思いました」
名前は、りんちゃんにした。
長谷川さんには、高校生と大学生の子供がいるが、二人とも親から少しずつ巣立っていく時期で会話が減っていた。しかし、さくらちゃんとりんちゃんを迎えてから、猫の話題で会話が増えたという。
■仕事の疲れも吹き飛ぶ猫との暮らし
先住猫のさくらちゃんは、猫だけど猫があまり好きではない。それでも、ケンカすることもなく、りんちゃんと一定の距離を保ちながら暮らしている。
医療関係の仕事をしている長谷川さんは、いつも気を張って仕事をしていることが多い。
「猫は私のセラピストのよう。職場で神経が張り詰めていても、さくらやりんといるだけでほっとするんです。コロナの影響で子供も家にいることが多く、ついつい『勉強しなさいよ』と思ってしまうのですが、猫がいるから円満な関係を保てています」
猫は、いつも横にいてくれたり、寄り添ったりしてくれる。会話するわけではないが、長谷川さんは猫に声をかける。長谷川さんは、怒ることも少なくなり、心が豊かになったと感じている。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)