ビートたけしの「20万円返せ事件」の真相とは?新田純一が明かすビッグネームとの「いい話」
来年で芸能生活40周年を迎える俳優・新田純一。当サイトの取材に対し、ビートたけしら大物芸能人との「いい話」を披露した。
【ビートたけしの20万円返せ事件】
新田は北野武監督の映画「アウトレイジ」(2010年公開)に出演。「殿が演じる大友の組員で、運転席でニセモノの警察官に撃たれて死ぬ役です。台本に僕の役はなかった。『サングラスかけたらいい』と殿に言われ、ずっとかけていたので気づかれにくいのですが、シーン数はかなり出ています」
その伏線は、たけしがḾCを務めるTBS系「情報7daysニュースキャスター」の09年1月24日放送回にあった。
「殿が番組で『新田純一、金返せ』ってテロップを出し、『昔、20万円借した』と生放送で言われたので、おふくろから僕に電話がかかってきた。『たけしさんがテレビでアンタのこと言ってるよ。はぁ…調子悪くなっちゃった』って。翌日、たけしさんの事務所に『20万持って行きますから、どうしたらいいですか』と電話したら、翌週の番組に来てくれと。TBSに行ったら僕の楽屋まで取ってあり、皆に『お疲れ様です』って挨拶されたりして(笑)」
新田はたけしに20万円を渡した。「殿は『おぉ…じゃ、もらっとくな』と受け取った金をマネジャーに渡し、お見舞い袋にその20万円を入れ替えさせた。『おめえんちのおふくろさん、テレビ見て調子悪くなったみたいだな。じゃ、これお見舞いだ』って、そのまま返してくれた。その後、楽屋で『秋とかスケジュールあいてるか?』『大丈夫です』『映画やるんだけどよ。やるとしたら運転手役だと思うんだけど、俺が監督やるからやんないか』というやり取りがあってアウトレイジにつながったわけです」
新田は「仕事では『スポーツ大将』とかでレギュラーに呼んでもらったり、プライベートでも軍団と飲みに行ったり、たけしさんの家に行ったり、四谷にあった殿の店『北野屋』にもよく行ってたんですよ。『金返せ』の時、マネジャーさんから『殿が最近、新田はどうした?って言っていた』と聴きました。ありがたかったです」。再会を願う、たけし一流のブラックジョークだった。
【里見浩太朗の電話】
コロナ禍で家にいた5月下旬、新田の元に電話があった。里見浩太朗だった。「いまBS日テレで『樅の木は残った』を放送していて、ちょうどお前のいいところやってるぞ、ガチャ(笑)」。里見主演で新田が共演した1990年放送の日本テレビ系時代劇スペシャルの再放送を伝えるために連絡してくれたのだった。
時代劇で役者開眼した現場に里見がいた。「里見さんとは(86年末放送の)『白虎隊』から、その後も明治座の舞台に出させていただいた。『長七郎江戸日記』でもお世話になった恩師です。昭和11年生まれで、死んだうちの親父と同い年。うれしいですよね。ガキの頃から支えてくれた大先輩が80歳を過ぎても現役でこうしてまだ電話くださったりして」。連絡後、改めて電話で感謝を伝えると、里見から「今度、ゴルフ誘うからな」とオファーされた。
【三浦友和との酒】
「アウトレイジ」で俳優として懐の深さを示した三浦友和。その酒豪ぶりを実感した思い出がある。
「昔、2時間ドラマでも共演させていただき、神戸でロケが一緒だったんですよ。『新田君、今日はあいてんの?』って友和さんに飲みに連れて行ってもらった。背も高いけど、酒がまぁ強い。高級なおでん屋さんでビール1杯飲んだら、あとは焼酎をずっと飲んでいる。マネジャーさんとか全員ロック。一升瓶置いて、それを飲み干して、またボトル入れて。ベロンベロンになっても『じゃあ、ラウンジ行って飲み直そう』。僕もそれなりに飲む方ですけど、その時は死にそうでした(笑)。友和さんは翌日朝イチから撮影なんですけど、全然平気なんですよ。お酒があんなに強いとは思わなかった。鬼のように飲まれていました」
出身地の共通点も。「僕は東京の立川で生まれて国立で育ってるから、そんな話をしたら、『国立のどこ?』『いえ、今は住んでないです』『いいじゃん、今度、国立のうちに遊びに来なよ』と。『はい、そうですか』と行くわけにもいかないですけど、酒の席だったし、『ぜひ』と」。百恵さんを思い浮かべながらも、実際に訪問することはなかったが、気さくな人柄に触れた。
【八代亜紀の弟役も】
新田の妻・聡子(としこ)さんは八代亜紀の専属ヘアメイクアップアーティストを20数年務める。夫婦共に縁は深い。
「BS11の番組『八代亜紀いい歌いい話』の旅バージョンで八代さんと旅をしています。新宿と梅田のコマ劇場公演で八代さんの弟役で出たり、昔からお世話になっています。あのまんまの方ですよ」。コロナ禍を乗り越え、共演できる日を待つ。
(まいどなニュース/デイリースポーツ・北村 泰介)