「授業参観にも来てくれた」長女・文音が明かす、長渕剛の愛に溢れた姿
7月31日公開の主演映画『いけいけ!バカオンナ~我が道を行け~』でコメディ演技に初挑戦した文音(32)は、歌手の長渕剛(63)と女優の志穂美悦子(64)を両親に持つサラブレッドだ。芸能界に身を置く先輩としてリスペクトする一方で、父としても母としても二人を尊敬している。
なかでも60代に突入してもなお孤高のアーティストであり続ける父・長渕剛に対しては、格別な思いがある。「いつも追いかけていきたい大きな背中であり、失いたくない背中」という文音が父親の愛に溢れた姿を明かす。
父親への想いが素直に口をついて出るのは、幼少期の出来事が大きい。子供の学校行事には必ず顔を出してくれた。「小学校の授業参観もすべて来てくれて、仕事で来られないということはありませんでした」と回想する。
長渕剛が教室に現れるのは周囲にとってはかなりのサプライズと思われるが「たしかに保護者達はザワザワしたかもしれないけれど、私も周りも小さい時ですから特別感はありませんでした。普通にお父さんが授業参観に来てくれて、私の友達も文音のお父さんが来ているという程度の認識だったと思います」と笑う。
文音も例にもれず、高校時代から20代になるまでは反抗期ど真ん中。「父と何を話していいのかわからないので、学校から帰っても一直線で自分の部屋に籠っていました」と思春期ならではの行動だが、そんな当たり前が当たり前ではなかったことに20代を過ぎて気づく。
「忙しい両親のもとで育って寂しい思いをする子も多いけれど、私は一度も寂しいと思ったことはありませんでした。母(志穂美悦子)も私が生まれたことをきっかけに女優業を辞めて、ずっと家にいてくれましたから。大人になってはじめて、私はこんなにも愛情を持って育てられたんだとしみじみと感じました」と“普通の家庭”を築き上げてくれた両親に感謝する。
歌手のAI(38)とコラボした新曲『しゃくなげ色の空』をコロナ禍で緊急デジタル配信したのも話題になった。父親の衰えぬ行動力には娘としても舌を巻く。「63歳になってここまでパワフルに活動できるのは凄いし、年々進化を遂げている。時代に合わせて新しいものを作り出す姿勢はクリエイターそのもの。バリバリやり過ぎて昨年末に倒れましたが、それでも復活する。もう尊敬しかありません」と変わらぬ活躍ぶりが我がことのように嬉しい。
文音も同じ芸能界で女優として表現活動に邁進中。デビュー当初は反対していた父も今では応援団の一人。最も厳しい応援団長というポジションかもしれない。「私のことを褒めることはありませんが“まだまだ課題はあるが、コメディという初めてのジャンルに挑戦したという点ではよくやった”という言葉はいただきました」と『いけいけ!バカオンナ~我が道を行け~』に対する父の反応を明かす。
父親であり歌手であり俳優である長渕剛とは「ストイックで優しく深い愛情を持っている人。愛には色々な形がありますが、私の父の愛の関わり方、人との関わり方は凄いです。一度関わろうと思うと、とことん突き詰める。自分が今こうして生きていられるのも、そんな愛を沢山もらったからだと思っています」。追い越すことなく、いつまでも追いかけたい背中。大きな愛を受け継いだ文音は、女優としての長い道のりを歩いていく。
(まいどなニュース特約・石井 隼人)