高校野球の兵庫大会…オンラインで見られる! コロナ禍で異例のネット動画配信プロジェクト
新型コロナウイルスの影響で中止となった夏の全国高校野球選手権大会。兵庫県では、県大会の代わりとして18日に開幕する「夏季兵庫県高校野球大会」(県高野連主催、神戸新聞社など後援)をインターネットで全試合配信しようという全国でも珍しい取り組みが進んでいる。一般財団法人「兵庫文化芸術スポーツ振興財団」が県内企業を中心に協賛を呼び掛け、ローカルのケーブルテレビ(CATV)局と連携して全試合会場に撮影スタッフを配置。ライブ配信はできないものの、最短で試合翌日から動画サイト「神戸TV」にて無料で閲覧できるようにするという。
同大会は移動による感染防止などのため、出場156チーム(158校)が県内5地区、16ブロックに分かれて4回戦までをトーナメントで争う。ベスト16が出揃った後、再抽選して5回戦を実施し、ベスト8が決まったところで大会を終わる予定。
試合は無観客で行い、入場できるのはベンチ外の控え選手や3年生の保護者(1部員につき2人まで)だけ。このため同財団は「球児たちが努力してきた集大成である最後の夏。もっと多くの人が見られる機会をつくりたい」と県高校野球連盟に配信を提案。コロナ禍の影響を考慮した上で、今回は“例外的”に了承を得ることができたという。
題して「高校野球大会をみんなで観よう!プロジェクト」。同財団は試合が行われる各球場に撮影スタッフを派遣する。地域によっては、本来の予定通り地元CATV局が撮影する球場もある。
各試合の映像は、神戸TVがポータルとなって全て公開。各CATVが撮影した映像は、同財団が買い取った上であらためて神戸TVで配信するという。関係者によると、今回の代替大会の映像をネットで一元化するのは、他の都道府県ではほとんど例がない試み。スタッフの人件費や映像の買い取りなどに必要な経費は、県内を中心とする企業からの協賛金を充てる。
趣旨に賛同し、この企画にBGMを提供した神戸在住のレゲエミュージシャンで元高校球児のKUNIMITSUさんは「現役の球児、特に3年生にとってはきっと嬉しいはず」。同財団でプロジェクトを担当する五島大亮さんは「保護者や同級生はもちろん、全国の高校野球ファンにも楽しんでいただければ」と期待している。
配信は7月21日頃から順次公開していく予定。雨天などでスケジュールが変更になった場合、全試合の撮影ができなくなる可能性もある。
(まいどなニュース・黒川 裕生)