どうしてそこで寝てるの? 会社の下駄箱で眠っていた子猫を保護、紅一点で女王様気質に成長
大阪府に住む稲田さんの夫が会社に出勤すると、下駄箱の中に子猫がいた。トラックに乗って仕事に行こうとすると、ついてきて離れない。そんなふうに甘えられては、猫好きの稲田さんの夫が放っておけるはずがない。夫は妻の稲田さんに子猫の写真と「どうしよう」というメッセージをLINEで送ってきた。
■下駄箱の中で寝ていた子猫
大阪府に住む稲田さんの夫は運送会社を営んでいる。2012年7月14日、会社に出勤して下駄箱のところに行くと、下駄箱の中に何かが入っていた。扉のない下駄箱なので、何かが入っていても不思議ではない。よく見てみると子猫が入っていて、居心地が良かったのかすやすや眠っていたという。
「起こすのもかわいそうだし、そのままにしてトラックに乗って仕事先に向かおうとしたら、子猫が後からついてきたんです。『あかんよ、あかんよ』と言ったのですがついてくるし、ここはトラックが出入りして危ないので、トラックに乗せて一緒に仕事に向かいました」
■保護したのなら飼うしかない
夫は子猫の写真をLINEで送ってきた。メッセージには「どうしよう」と書いてあった。夫は、前に迎えた梨音くんに出会った時も「どうしよう」とLLNEを送ってきた。
稲田さんは、「どこかに捨てるわけにもいかないし、保護したのなら連れて帰るしかないでしょう」と返信した。
稲田家は猫の梨音(りおん)くんを飼っていたので、夫は帰宅する前に子猫を動物病院に連れて行った。生後2~3カ月。体重は1キロしかなく、片手の手のひらにすっぽり収まった。
稲田さん夫妻は翌日から1泊旅行に行く予定にしていた。キャンセルしようかと思ったが、それを聞いた夫の友人が「預かってあげるから旅行に行けば」と言ってくれた。
名前は莉莉依(りりい)ちゃんにした。
■紅一点の莉莉依ちゃんは女王様気分
友人は、莉莉依ちゃんの写真を送ってきてくれたが、稲田さん夫妻は気になって仕方がない。莉莉依ちゃんのことが頭から離れなかった。結局、旅行は早々に切り上げ、翌日の午前中には帰宅、午後から引き取りに行ったという。
先住猫の梨音くんと莉莉依ちゃんは、すぐに仲良くなった。優しい梨音くんは、まるで本当の兄猫のよう。おもちゃで遊んでいても、莉莉依ちゃんがとことこ歩いていくと、譲ってくれた。
一方、莉莉依ちゃんは、ちょっと勝気だという。現在、稲田家には4匹の猫がいるが、稲田さんが帰宅した時、最初になでてあげないとご機嫌斜めになる。紅一点なので、常に自分が一番でないと気が済まない。稲田さんがソファに座っていると、いつも横に座りたがる甘えん坊でもある。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)