手を使わずに脱ぎ履きできる!?神戸の靴工房が作る、一度履いたらやめられない靴とは
快適な日常生活をつかさどる「靴」の存在。だからこそ、これに悩みを抱える人は少なくない。頻繁に靴擦れしてしまう、サイズが合わない、手を使わず脱ぎ履きしてしまいすぐにダメにしてしまう…。
そんなもろもろの悩みを解決する靴を作る工房が、「履きだおれの街」こと神戸にある。手を使うことなく脱ぎ履きができ、柔らかい素材を使用した「足に優しい」靴を製造・販売している。そんないわゆる「職人技」を有しているのは、株式会社ベルだ。
この靴は特殊なマグネットボタンが使用されており、足を入れて振るだけでカチッとボタンが閉まる。しゃがむことが難しい高齢者、子どもを抱きかかえている子育て中の親、手を極力汚したくない医療従事者に最適だ。
また簡単に脱ぎ履きできることに加え、「柔らかい」「軽い」といった快適な履き心地も魅力的。
履きやすさの秘密は、同社が特許を取得している「ドーム製法」。本来の靴の製法で使用されている「中底」を使用せず、軽さを追求。高反発性のあるインソールを用いることで、柔らかさを生み出し、足裏への衝撃をなくす。お出かけなどで長時間歩いても負担がなく、靴擦れもしない。
この「ドーム製法」は、世界で7つ目の靴の製法。開発したのは、同社の高山雅晴社長だ。「膝を痛め、靴の脱ぎ履きがしづらい人を見て、アイデアが思い浮かんだ」と話す。
2013年に特許を取得するまで、カジュアルなデザインがアピールポイントだった同社。しかし「デザインをアピールポイントにしてしまうと、競合も多く大変」という思いから、徐々に機能性を重視。膝を痛めやすい50代以上のユーザーをターゲットとしてシフトしていった。
「今では、20代や30代の方にもお使いいただいていますし、男性がビジネスシーンでお使いいただける靴も展開しています」
高山社長は、「靴を作ることで、お客様の1日の笑顔を守りたい」と語る。
「靴というのは、1日の気分を決めるもの。靴擦れをした日は、1日を振り返ると少しブルーになってしまったりしますよね。私たちが作る靴は、『履いたその日から靴擦れしない』ことがポリシー。もし靴擦れしてしまったら、全額返金したいくらいです」
(まいどなニュース特約・桑田 萌)