ベテランの保護活動家に見抜かれた相性!…別々の場所で保護された子猫たち、本当の姉弟のように仲睦まじく
まったく別々のところで保護された白鳥サクラちゃんとハルくん。白鳥さんは、初めて猫を飼ったのだが、飼うなら2匹一緒にもらおうと思っていて、サクラちゃんとハルくんを、保護主の松丸さんから譲渡してもらった。2匹一緒に飼ってみてよかったという。
■保護した野良猫は妊娠していた
神奈川県に住む白鳥さんは、猫を飼おうと思って譲渡サイトで探していた。譲渡会に行こうと思ったがなかなか日程が合わず、サイトで探すことにしたという。
2018年4月下旬白鳥さんは、譲渡サイトで見た子猫にひとめぼれして応募した。その子猫は、神奈川県で猫ボランティアをしている松丸さんが掲載していた。
「住宅地で6匹ほどの猫が群れをなしていて、子猫も成猫もいました。2018年1月、TNRするために1匹の野良猫を保護して動物病院に行ったのですが、レントゲンを撮ると妊娠していることが分かりました。妊娠が判明すると堕胎させるボランティアもいれば、産ませる人もいますが、私は堕胎せずに出産させました」
■猫を迎えるなら2匹一緒に
母猫は子猫を可愛がって熱心に育てた。1匹の子猫は母猫にべったり懐いていたという。松丸さんは、譲渡サイトに「母猫と子猫ペアでもらってくれる人を希望」と書いて掲載した。
白鳥さんは猫を飼ったことがなかったので、元野良猫の母猫を育てるのはハードルが高いと思った。ただ、2匹一緒に引き取ったほうが猫も寂しくないだろうと、子猫を2匹もらうことにしたという。
4月、白鳥さんは子猫に会いに行き、サイトで見た子を迎えることにした。ペアにする子猫は松丸さんに選んでもらった。松丸さんは10年以上保護活動をしているベテランなので信頼していたという。相棒になった猫は、川崎市の公園に突然現れた長毛種の猫だった。
■見かけない子猫
2018年2月、松丸さんは川崎市の公園で1匹の子猫を保護した。その公園には、知り合いのエサやり(TNRした猫にエサを与えるボランティア)がいたが、誰も見たことがない猫だった。生後半年にもなっていない小柄な猫だった。
「小さいし、早めに保護したら人なれする可能性が高く、里親さんも見つかりやすいんです。今日を逃したらもう会えないかもしれないと思い保護することにしました」
夜、もう一度公園に行った松丸さん。子猫でも警戒心があり、ここにいると思ったらあっちにいるという具合で、しばらく捕獲機の場所を移動した。1時間くらいねばって子猫を捕獲したという。この子が、松丸さんが選んだ相棒だった。
■2匹を迎えてよかった
5月初旬、松丸さんが2匹の猫を連れてきてくれた。白鳥さんは、サイトで見た猫をサクラちゃん、松丸さんに選んでもらった猫をハルくんと名付けた。
初日、サクラちゃんは少し緊張していたが、翌日にはハルくんが、母猫と思ったのかサクラちゃんのおっぱいを吸っていた。サクラちゃんはまるで姉のようにハルくんを見守っている。ハルくんが高いところから落ちそうになると、飛んでくるそうだ。
2月に愛犬を亡くして悲しみに暮れていた白鳥さん。夫と子供が「猫を飼おう」と言った時、「まだ数カ月しか経っていなくて悲しいのに」と反対した。しかし、ハルくんとサクラちゃんを迎えて癒された。愛犬を想う気持ちに変わりはないが、家族の会話が増え、穏やかに暮らしている。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)