柴犬の顔が衝撃変形、なぜ!? 2年前に亡くなったポチさんからのプレゼントと話す、飼い主さんに聞いた
「枕がかたすぎて顔変形してるポチ」というコメントとともにTwitterに投稿されたのは、顔の左頬(?)のあたりが大きく凹んだ柴犬の画像。妙にしょんぼりとした目の表情とも相まって、「悲しそうな顔してる(笑)」「かわいい」と犬好きたちのハートを撃ち抜いた。ほのぼの画像で注目されたこのポチさん、実は2年前に15歳で亡くなっているという。投稿主に詳しく話を聞いた。
投稿したのは北海道在住の「りか」さん。Twitterでは「柴犬 龍之介 ミケ(@pochi_ryuu)」というアカウント名で、現在一緒に暮らしている黒柴の龍之介、赤柴のミケランジェロとの日常を紹介している。
■なぜ?顔が見事に変形した状況はこうだった
--ポチさんの衝撃的な顔変形、「枕がかたすぎ」たのが理由とのことですが、どのような枕で、そしてどのような体勢で寝ていたのでしょうか。
「おそらく皆さんが想像する普通の犬用枕や人用枕ではなく、元々トンネル型の犬用ベッドの縁の部分で、枕を想定して作られたものではなかったと思います。ポチが中に入るのを嫌がるので、仕方なく切り離して敷いて寝かせていたのですが、普段犬用枕も使わないポチが珍しく出っ張った部分を枕にして寝ていて、可愛くて写真を撮っていたら、起きたときに写真の通り顔が変形していたんです」
--あ、よく見ると右目の横にある縦線のようなものは“寝癖”ではないんですね。顔が全体的にギュッと凝縮された感じで変形したのかと思いました。
「右目の線も普通はないから、余計におかしいですよね(笑)」
■2年前に腎不全で亡くなったポチさん
--ポチさんは2018年の5月にお亡くなりになったそうですね。どんな犬でしたか?
「かなり凶暴な性格で、思い通りにならないときやケージの中に入れられているときは目が合うと唸る、噛みつこうとする…は当たり前でした。幸い内弁慶なのと、私たち家族もよそに迷惑を掛けないよう気をつけていたので、家の外で問題を起こすようなことはありませんでしたが」
「あまりよその犬には興味がなく、吠えられてもすれ違ってもちらりとも見ないような子でしたが、脱走してきて吠えてくる犬がいると、私より前に出て吠え返して応戦する優しいところもありました。ベタベタすることは全くありませんでしたが、ふとしたときに守ってくれたり、小さい幸せをたくさんくれたりするような子でした」
「綺麗な女の人が大好きで、すれ違うと目で追ったり、なでてもらった後はその人が見えなくなるまで後ろを見たまま歩いたりと、とてもお茶目なところもありました」
■体調の変化に気づけなかった後悔は今も…
ポチさんは、りかさんが初めて一緒に暮らした犬だったため、振り返れば飼い主としてわからないことも多かったという。脱水の症状が出始めたのに加齢による体調の変化だと勘違いし、亡くなる2カ月前に倒れたことでようやく腎不全を患っていたことが判明。「毎年狂犬病やワクチンで病院には行っていましたが、それだけでは気づけませんでした」と、悔いが残っているそうだ。
今飼っている龍之介さんも14歳と高齢に。ポチさんのときの反省を踏まえ、半年に1回はきちんと血液検査をしているという。「肝臓の数値が悪化しましたが、すぐに薬で治療して正常値に戻っているので、ポチの経験を生かせていると思います」と、りかさん。「世の中のわんちゃんたちと飼い主さんたちが少しでも長く、幸せに暮らせるように、ポチのこと、検査することの大切さを知っていただけたらいいなと願っています」
■天国のポチからの“プレゼント”に感動
もともとりかさんのTwitterアカウントは、ポチさんが獣医から「2、3カ月しかもたないかもしれない」と言われたときに、「生きた証を残すため」に開設したという。
「今では別の犬2匹のことをつぶやくアカウントになりましたが、昔の写真を見ていたときに、『そういえばこんなかわいい瞬間もあったな』と何気なく投稿したものが大きな反響をいただけて、驚きと嬉しさでいっぱいです」
「猛犬でした、が私にとっては自慢の子でしたので、天国へ行って2年、いきなりのポチからのプレゼントに感動しています。こうして天国に行ってからも幸せをくれるところも、犬と暮らす素敵なところだなと思います」
(まいどなニュース・黒川 裕生)