列島沈痛…コロナ禍で夏祭り軒並み中止 山鹿市は伝統行事とまちの魅力伝える動画を公開

新型コロナウイルス感染拡大によって、今年は各地の夏祭りが軒並み中止に追い込まれている。熊本県北部にある山鹿市の風物詩「山鹿灯籠まつり」もそのひとつ。一部の神事を除いて開催を見送ることになったのだが、そこは山鹿市、ただでは転ばない。夏の山鹿の魅力をPRする動画を作り、7日から公開を始めたのだ。山鹿の夏は、それでも躍る--。

山鹿灯籠まつりは、人口5万人のまちに8月15、16日の2日間で15万人が訪れるという山鹿市最大のお祭り。中でも民謡「よへほ節」に合わせ、頭に金灯籠を掲げた女性たちが優雅に舞う「千人灯籠踊り」は、多くの人を魅了してきた。

しかし5月、実行委員会はコロナ禍を踏まえて中止を決断。中止は荒天だった2008年以来2回目という。市は中止による経済的損失をおよそ5億7600万円と推計しているが、多くの人出を見込んでいた関係者らが被るダメージの大きさは計り知れない。

それでも市は「祭り以外にもたくさん見どころがある」ことや「祭りがなくなっても踊りの練習を続けている人たちがいる」ことを広く発信するため、福岡市の広告会社と組んで動画を作り、公開することに。

90秒の動画には、山鹿灯籠踊り保存会の女性たちが、桃色の浴衣と金灯籠を身に着けて出演。九州最大規模の木造温泉さくら湯や、明治時代に建てられた芝居小屋「八千代座」、体験学習などが楽しめる複合施設「癒しの森ゆ~かむ」など、山鹿の観光スポットで踊る様子を紹介。各地で踊る女性たちの姿を映し出すことで、山鹿が「“心躍る”スポットがある」ことを表現しているという。

市ふるさと未来総室の職員で保存会のメンバーとして動画に出演もしている園田由希子さんは「コロナ禍のため『来てください』とは言いにくいですが、動画を見て山鹿の素晴らしさに触れ、来年の灯籠まつりにはぜひ足を運んでください」と呼び掛けている。

(まいどなニュース・黒川 裕生)

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