大雨のなか公園で鳴いていた子猫を保護 甘えん坊でかまってちゃん猫に成長
大阪府に住む長尾さんの妹は、激しく雨が降りしきる中、公園で鳴いている子猫を保護した。先住猫との相性が悪かったので、子猫は長尾さんが飼うことになった。可愛い子猫は7人家族の8番目の家族として迎えられ、はちくんと名付けられた。
■大粒の雨が降る中、大きな声で鳴いていた子猫
2008年5月25日、大阪府に住む長尾さんの妹が家にいると、公園から猫の鳴き声が聞こえてきた。激しく雨が降る日だったが、雨音をしのぐ大きな猫の鳴き声だった。
「妹が猫を探しに行ったのですが、逃げ回るし、雨は降っているし、捕まえるのは大変だったそうです」
妹は猫を1匹飼っていたのだが、保護した野良猫を家に連れ帰ると、飼い猫も野良猫も警戒心をむき出しにした。「これでは飼えない」と思った妹は野良猫を公園に戻したが、やはり気になったので、再び保護して長尾さんのところに持ってきた。長尾さんと子供たち、みんなで話し合って飼うことにしたという。
「犬も好きなんですが、家族みんなが働いているので散歩するのが難しく、猫なら飼えると思ったんです」
長尾さんは7人家族なので、八番目の家族という意味ではちくんという名前にした。生後1カ月半くらいだった。子猫のわりに尻尾が長く、耳がピンとしていた。
■だんだん家族になじむ
はちくんは全く物おじすることなく、部屋の中を歩いたり走ったりしてあちらこちら探検した。抱っこしようと寄っていくと、ぴょんぴょんと跳ね回るように逃げて、柱を登ったり、カーテンに登ったりした。
野良猫だったが、公園には野良猫がたくさんいて、えさを与える人もいた。はちくんもえさを食べていたようで、やせてはいなかった。なかにはカラスに食べられてしまう子猫もいるので、運よく生き延びたのだろう。
「なれるまで仕方ないなと思いました。みんな学校や仕事で留守にする時間帯もあったのですが、家にもなれてきたのか、だんだん膝に乗ったり、一緒に寝たりするようになりました。とにかく小さくてよく動くので、踏まないように気をつけました。」
■はちくんのお気に入りは、一番猫のことを怖がっていた長女
長尾さん一家は、みんなで孫のようにはちくんを可愛がったという。みんな帰宅すると、まずはちくんのところに行き、「ただいま」と言うのが日課になっている。
はちくんは、家族のことは好きだが、知らない人が来ると隠れてしまう。特に、最初、猫が怖いと言っていた長女のことが大好きで、お腹がすいた時やかまってほしい時、長女のお腹の上に乗って催促する。遊んでほしい時はおもちゃを持ってくるので、分かりやすい猫でもある。
はちくんは、甘えん坊だが優しい性格だ。後から長尾家にやってきた猫の面倒をよく見て可愛がっているという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)