馬牧場に捨てられていた子猫を保護…最初は怖がっていた先住犬とも仲良しに 遊ぼうと誘うくせに猫パンチ?
子猫のあんずちゃんは馬牧場に捨てられていた。ノミが1匹もついていなかったので、野良猫ではなく捨てられたと考えられている。里親の瀬田さんは、子供が猫を飼いたいと言っていたが、踏み切れずに反対してきた。しかし、あんずちゃんの写真を見てひとめぼれした。
■馬牧場に捨てられた子猫
2019年7月14日、愛知県で馬の調教師をしている人が馬牧場で1匹の子猫を保護した。ノミがついていなかったので、誰かが捨てたと考えられている。生後2カ月くらいだった。子猫といえども馬がいるので牧場には置いておけなかった。調教師は花屋でも勤めていたので花屋に子猫を置いてもらい、休みの日も世話をしに行ったが、それでは体力がもたない。自宅に連れ帰り、里親を探すことにした。調教師は子猫を飼おうか悩んだが、すでに猫を飼っていたので、これ以上飼うのはきついと思ったという。
愛知県に住む瀬田さんと調教師は、犬と一緒に登下校の子供たちを見守る「わんわんパトロール隊」のメンバーだった。調教師がパトロール隊のグループLINEで里親を募集したので、瀬田さんは子猫の里親を募集していることを知った。
「可愛らしくてひとめぼれしたんです。8月に見に行って、8月12日からトライアルが始まりました」
■猫を飼うのに反対していた
瀬田さんの子供たちは、ずっと前から猫を飼いたいと言っていた。中学3年生の長女は小学生の時から殺処分ゼロを願うような子で、「こたろう(犬)を飼っているから犬の可愛らしさは知っているけど、猫はペットショップで見るだけで触ったこともない。犬も助けたいけど、猫の可愛さも知ることが出来たら、もっと助けたいという気持ちが大きくなる」と言っていた。
長女の言うことは分かるが、瀬田さんは猫を飼ったことがなかったので、なかなか飼う気になれずにいた。ただ、LINEで子猫の写真を見た時、「ああ、可愛い。この子だったらいいかもしれないと思い、娘に写真を見せました。自分が一番渋っていたのに飼いたくなるなんて(笑)」
■先住犬に甘えたいが、びびる
子どもたちは子猫を「あんずちゃん」と名付けた。
あんずちゃんの調教師が優しく接してくれていたので、人にはすぐに懐いた。ただ、犬のこたろうくんが興奮して吠えたので、あんずちゃんはキャットタワーの上から降りられなくなった。しばらくこたろうくんが1階で暮らし、あんずちゃんは2階で暮らすよう住み分けした。
10カ月経った現在、こたろうくんがあんずちゃんに吠えることもなくなり、あんずちゃんも自由に歩き回っているという。
あんずちゃんは、こたろうくんの尻尾をちょんちょんと突いてちょっかいを出すが、こたろうくんが近づくとシャーっと言う。あんずちゃんのほうから「遊ぼう」と誘うくせに猫パンチを食らわすこともある。かまってほしいが、まだ少しビビっている。瀬田さんが仕事から帰ると、いつも迎えに来てくれるという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)