マンションの9階まで届く大声で鳴いていた子猫 ツンデレなイケメン猫に成長
ある朝、マンションの9階まで猫の鳴き声が聞こえてきた。声の主の地上にいるので、力いっぱい鳴き叫んでいたと思われる。住人の堤さんは、これはただごとではないと思い、猫を探しにいった。猫を見つけて保護した後、いったんは里親を探したが、次第に愛着が沸いてきた。
■マンションの9階まで聞こえてきた猫の声
沖縄県に住む堤さんは、マンションの9階に住んでいた。2017年1月の朝、猫の鳴き声が聞こえてきた。普通の鳴き声ではなく、9階まで響き渡るほど大きな声だった。1階まで降りて猫を探しに行くと、マンションの前の店のシャッターが少し開いていて、その隙間から鳴き声が聞こえていた。
他にも心配して探しに来た人がいたのか、店の前にはパンのかけらなど食べ物が置いてあった。
堤さんは、このまま放っておけないと思った。シャッターと地面の隙間から手を伸ばし、子猫をつかんで引き出した。生後2カ月くらいだった。バスタオルでくるむようにして抱き上げた。
■2匹も3匹も変わらない
その日のうちに動物病院に連れて行ったが、元気だった。
堤さんはもずくくんとみーちゃんという猫を飼っていたので、子猫の里親を探したが、なかなか見つからなかった。動物病院にも1カ月ほど里親募集の張り紙をしてもらったが、希望者は現れなかった。
堤さんもずっと一緒にいると、だんだん愛着がわいてきて手離せなくなってきて、2匹も3匹も変わらない、うちで飼おうと思ったという。「ぽんず」と名付けた。
■クールなツンデレ猫
一番年上のもずくくんはぽんずくんを見ても、「また来たのか」という感じで動じなかった。みーちゃんは最初、警戒して少し離れたところから見ていたが、もずくくんが受け入れたので、私も受け入れようというように振舞った。みーちゃんも家に来た時もずくくんのあとをついて回ったが、ぽんずくんもずくくんに「一緒に遊んで」とすり寄り甘えた。みーちゃんのところにも行ったが、たいてい逃げられた。それでも、みーちゃんと一緒に寝ることもあり、ケンカはしなかった。
ぽんずくんは人見知りが激しく、あまりかまってほしくないタイプ。他人はもちろん、堤さん夫妻にもあまり甘えず、寄ってこない。
「クールですが、たまに甘えてくれるんです。お腹が空いた時など、要求したいことがあるとすりすりしてきます。たまに甘えてくれるのが嬉しいんです」
猫とも仲良く遊ぶが、ぽんずくんクールな性格なので1匹でいるのが好き。気ままに暮らしている。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)