近所をうろついていた野良猫を保護 先住猫との相性が悪く1階と2階に分かれて“家庭内別居”
車の往来が結構ある場所をうろついていた野良猫の母子。母猫のロンドちゃんはTNRする予定だったが、保護した後藤さんが飼うことになった。飼ったのはいいが、先住猫との相性は最悪。先住猫は1階で、ロンドちゃんは2階で暮らすことになった。
■野良猫の母子を保護
2018年7月、埼玉県に住む後藤さんは、家の近くで1匹の子猫を見かけた。近所の人に聞くと4、5匹見かけたという。車の往来もそれなりにある場所だったので、子猫が死んでいるのを見かけたという人もいた。後藤さんは、そのあたりを通るたびに子猫たちの様子を観察し、何匹くらいいるのか確認したという。
飼い猫の可能性もあったので、近隣の人に尋ねると、「おやつはあげているが、飼っていない」と言う。8月上旬、母猫と子猫が一緒にいるのを見かけたので、後藤さんは、付き合いのある保護団体に捕獲機を借りて母猫と子猫兄弟を2匹保護したという。
母猫はすぐに捕獲機に入った。子猫は触れたので、一緒にいいた近所の人が手づかみで捕まえた。
■ いまさら野良に戻せない
子猫は結構大きくなっていたが、生後2カ月くらいだった。近所の人におやつをもらっていたので、野良猫だったが人慣れしていた。母猫は捕獲機で捕まえても暴れることもなく、おとなしくしていた。数日後、動物病院に連れて行くと1歳くらいだと言われた。付き合いのある保護団体に相談し、母猫はTNRすることになり、しばらく後藤さんが預かった。同時に里親も募集したが一向に決まらなかった。
「私の母が、『一週間もうちにいる。いまさら野良猫に戻すのはかわいそう』と言いだしたので、うちで飼うことになったんです」
8月、後藤さんと付き合いのある保護団体の譲渡会がショッピングモールで開催されたので、子猫たちを出すと、後藤さんの近所の人が兄弟一緒にもらってくれた。
■先住猫との折り合いが悪く
後藤さんは猫を3匹飼っていたので、これ以上飼わないと決めていたが、結局、飼うことになった。名前はロンドちゃんにした。女の子の先住猫ルカちゃんは、シャーシャー言って激しく拒絶した。
「ルカを飼う時、『先住猫の中に女の子の猫がいると、次の子を迎えにくくなる』と聞いていたので、これ以上猫は飼わないと自分の気持ちに歯止めをかけるためにも女の子の猫を飼ったんです」
猫好きが高じて、4匹目のロンドちゃんを迎えたものの、ルカちゃんがロンドちゃんを威嚇するだけでなく、ルカちゃんを可愛がっていたラグくんも同調してロンドちゃんを攻撃するようになった。
後藤さんは逃げまどうロンドちゃんを2階で、ルカちゃんとラグくんを1階で飼うことにした。共用部分の廊下や階段は、時間を決めてそれぞれに開放しているという。戸建て住宅の場合、先住猫と相性が悪ければ階を変えて飼うことができる。ラグくんは、いまだにロンドちゃんの姿が見えるとうなって威嚇する。
ロンドちゃんは普段は2階で暮らしているが、おやつの時間になると降りてくる。距離は保っているが、おやつの時間は休戦するようだ。
元野良猫なのでロンドちゃんのほうから人に寄ってくることはないいが、だんだん家猫らしくなってきたという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)