交通事故で母を亡くした子猫、譲渡会で冗談半分に「連れて帰ろうか」→「いいんじゃない、もう1匹くらい」
埼玉県に住む後藤さんは、リフくんという保護猫を飼っていた。猫を飼うつもりはなかったが、縁あって飼うことになった。リフくんを保護してから1年後、リフくんを保護した時に相談に乗ってもらった保護団体がショッピングモールで譲渡会をしていた。後藤さんは募金をしようと思って譲渡会に行ったのだが、そこには交通事故で母猫を亡くした猫がいた。
■交通事故で母猫を亡くした子猫たち
2016年9月下旬、埼玉県の猫の保護団体に、交通事故で野良猫の母猫が死んでいると通行人が連絡してきた。母猫の遺体の周りに子猫がいるという。4匹兄弟だったが、保護しに行くと1匹は亡くなっていたという。
埼玉県に住む後藤さんは、初めてリフくんという猫を保護した時、団体のボランティアに相談に乗ってもらったのだが、それ以来、譲渡会に行ってあいさつしたり、募金をしたりしていた。リフくんを保護してからちょうど1年後、ショッピングモールで譲渡会があった。後藤さんが顔を出すと、交通事故で母猫を亡くした3匹の子猫たちがいた。2匹は既に譲渡先が決まっていたが、1匹だけ残っていた。
■もう1匹くらいいいんじゃない
リフくんを保護した時もそうだったが、後藤さんは猫を飼おうと思っていたわけではない。単に募金しようと思って立ち寄っただけだった。
「可愛いとは思いましたが、飼うつもりはなかったんです。でも、食料品の買い出しにいったので母も一緒にいて、『もう1匹連れて帰ろうか』と冗談半分に言ったら、『いいんじゃないの、もう1匹くらい』と母が言ったんです」
1匹だけになるとかわいそうだと思った後藤さんは、2匹目の猫を迎えることにした。リフを迎えてからちょうど1年後の譲渡会というのも因縁を感じたという。
■嫌なことをする人と大好きな人
譲渡会が終わると、夕方、子猫を保護したボランティアが家まで連れてきてくれた。
名前はラグくんにした。生後1カ月、体重は500gくらいだった。
先住猫のリフくんをいったんリビングから出して、ラグくんをリビングに入れると、すぐにリフくんのトイレでおしっこをした。まったく物怖じしなかった。リフくんとは隔離して、ケージ越しに少しずつ会わせたという。リフくんは、最初だけ「なんだ、こいつは?」という感じだったが、1週間も経たないうちに2匹は仲良くなった。互いにグルーミングし合って、たまにケンカする。
ラグくんは、後藤さんの父親が大好きだ。
「僕は爪切りをしたり、目薬をさしたり嫌なことをするから嫌われるんです。でも、父はおやつをあげたり、遊んだりしてあげる人なので好かれる。得な役回りです」
新聞配達の人や宅配業者が来るとさっと隠れてしまうラグくんだが、お父さんとはベッドで一緒に寝るという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)