みーちゃんはコインパーキングに駐車していた車の下で鳴いていた。母猫に置き去りにされたのか、はぐれたのか、それとも誰かに捨てられたのかは分からない。たまたまそばを通りかかった人が発見して保護した。

■駐車場で鳴いていた子猫

2016年5月、沖縄県に住む堤さんは、夜にコンビニに行く途中、コインパーキングの横を通りかかった時、子猫の鳴き声がするのに気が付いた。行く時も帰る時も子猫は鳴いていた。

「ずっと鳴いているなんて、なんかおかしいぞと思い、家に帰って懐中電灯と子猫用のおやつやフードを持って探しに行ったんです」

子猫を探すと、車の下で縮こまって鳴いていた。おびえて動けなくなっているようだった。堤さんは、子猫の近くにおやつを置いて、少し離れたところから様子を見守った。お腹が空いていたのか夢中で食べていたので、背後から近づき、バスタオルをガバっとかけて保護したそうだ。

■鳴き叫んで暴れる

すぐにキャリーバッグに入れて運んだが、子猫は思いっきり暴れてずっと鳴いていた。堤さんは家に着くと、先住猫のもずくくんと隔離して、シャンプーをした。シャンプー中も嫌がって騒いでいた。

翌日、動物病院に連れて行くと、生後２、３カ月だと言われた。少しやせていたが、元気だったという。

お腹が空いているようでもりもりキャットフードを食べた。

「もずくと仲良くできるなら、もう1匹くらい飼ってもいいかなと思いました。人間のことは少し警戒していましたが、もずくのことは大好きで、ケージから出すとずっとついて歩いていました」

■多頭飼いにしてよかった

名前はみーちゃんにした。

もずくくんは、みーちゃんがついて歩くと「しょうがないなあ」という感じだったが、グルーミングしてあげるなど、優しく接した。

「留守番の時も1匹より2匹のほうが安心ですし、追いかけっこをするのでもずくの運動量も増えました。猫を飼うなら多頭飼いのほうがいいという話は聞いていましたが、2匹目を迎えてよかったと思っています」

もずくくんはおっとしていておおらかだが、みーちゃんは少しナイーブで、トイレが少しでも汚れていると違うところで排泄する。ペットシッターさんのことも警戒してなつかない。堤さんは後に3匹目の猫を迎えたが、みーちゃんはなかなかなじめず、隠れてしまった。

大好きなもずくくんの行動を見習うのか、もずくくんが堤さん夫妻に甘えているのを見て、「この人たちは大丈夫」と思ったようだった。特に堤さんになついていて、夫が出張などで不在の時は、一緒に寝てくれるという。

（まいどなニュース特約・渡辺 陽）