ナニコレ? 謎の白い巨体が千葉に現る!! 「ゆるキャラ」だと名乗るじいさん、果たしてその正体は…
最近、筆者が住む千葉県市川市で「謎の白い巨体が出没している」という情報を耳にした。それは「ダイコン爺(じい)さん」と名乗る、大根のゆるキャラだという噂。市川の人気ゆるキャラといえば「市川梨丸(いちかわなしまる)」くんのはずだが…市川は梨の産地であっても、大根の産地ではない。さて、その“謎”を暴くべく、ダイコン爺さんがいるという、とある事務所を訪ねて直撃取材を行った。果たして、その正体は?
■正体はダイコン爺さん 市川は梨の産地なのに…なぜ大根?
“謎”のベールに包まれた「ダイコン爺さん」が所属する事務所は、閑静な住宅街の中にあった。呼び鈴を鳴らすと、事務所の副理事長さんが出迎えてくれた。「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」。玄関を後にして左奥へ進むと案内されたのは6畳ほどの和室。小さなちゃぶ台を挟んで向かい側に座っていたのが「ダイコン爺さん」だった。確かに情報通り、白くてでかい。あいさつの後、ソーシャルディスタンスを取りながら、早速お話を伺った。
--市川市生まれの「大根」だと伺いました。
「そうじゃ。儂(わし)は、野菜嫌いの子どもたちに野菜を好きになってほしいから、千葉県市川市の小さな畑で生まれたのじゃ」
--でも、市川は大根の産地じゃないですよね?
「痛いところを突く輩(やから)じゃな。産地ではないのじゃが。小さな畑といったじゃろ! 家庭農園などで育っている大根もおるのじゃ」
--大変失礼致しました。野菜嫌いのお子さんに野菜を好きになってほしいということですが、なぜ大根?
「最近、大根が嫌いな子どもが多いと聞く。『生で食べると苦いし。煮たら甘いんだけど、煮崩れすると食べづらいし』といろんなことを言って食べないのじゃ。大根を食べられる子は非常に少ないと聞いている」
--大根よりも、ピーマンの方が食べられない子が多いような。
「大根を甘く見てはいかん! 大根というのは日本全国各地で産地があるのを御主(おぬし)は知っているか? 大根は、いろんな品種があるのじゃ。千葉には『銚子大根(ちょうしだいこん)』殿や『姉ヶ崎大根(あねがさきだいこん)』殿がおるぞ。東京だと『練馬大根(ねりまだいこん)』殿が有名じゃ。神奈川・静岡方面に行くと『三浦大根』殿をはじめ、『箱根大根(はこねだいこん)』殿や『三島大根(みしまだいこん)』殿などもおる。全国に40種類以上と、日本全域に大根の産地が点在しているのじゃ。大根こそ日本の食卓を支えていると言っても過言じゃないぞ。嫌いな子どもたちにも大根をぜひ食べてもらいたい。と同時に、全国各地の大根を育てている農家さんや八百屋さんたちも応援したい。
それにな。品種だけじゃなく、大根はいろいろな食べ方があるんじゃよ。頭の葉っぱの部分をみじん切りにして塩もみにして浅漬けたくあんになる。皮は乾燥させれば切り干し大根になる。青首の部分は苦いのじゃが、大根おろしにしてサンマに乗せて食せる。下の白い部分はみずみずしく、輪切りにして煮物やおでんにすれば絶品じゃ。大根は全部食べられる、捨てるところが一切ないんじゃよ。その上、大根の辛みには胃液の分泌を促す働きがあるほか、胃腸の働きを助ける数種類の消化酵素なども含まれている身体に優しい野菜じゃ。それを知らない子が多い。だから子どもたちに大根の良さを知らしめるため、儂が誕生したのじゃ」
■子どもたちに大根の良さを知ってもらうために誕生!
--大根というのは、万能な野菜なんですね。大根の良さを広める活動のほかに全国の大根農家や八百屋さんたちの応援もされているとのことですが、実際に県外の大根の産地にも行かれましたか?
「行っておるぞ。一番感動したのは、石川県が誇る加賀野菜の代表格、『源助大根(げんすけだいこん)』殿との出会いじゃ。少し小太りした小さい可愛らしい大根。儂とそっくりじゃと思ってな(笑)たまたま石川県の友だちから『源助大根と似ているよね』と言われたことがきっかけで行ってみたのじゃ。今後も全国の産地を回って、新たな大根との出会いをもくろんでおる」
--今はコロナ禍ですし。なかなか全国には行けませんね。
「そうなんじゃよ。儂が行ってしまうと、人が集まってきて密を作ってしまう…だから、今は活動自粛中じゃ」
■何を隠そう箱根強羅観光親善大使じゃ!
--プロフィールを見ると箱根強羅観光親善大使とのことですが、なぜ親善大使に?
「箱根強羅観光協会のゆるキャラ『ごうらん』が友だちなのじゃ。たまたま箱根強羅で観光シーズンの11月ごろに観光客がたくさん来るからと、ウエルカムキャラクターとして一緒にサポートをしてほしいと頼まれたんじゃ。そこで地元の皆さんや観光客の方々に気に入っていただいて、『ぜひ箱根強羅観光親善大使に』と言われて引き受けたのじゃよ。
強羅は8月のお盆に行われる大文字焼きや温泉、紅葉と、大変良い所じゃ。今年はコロナ禍だったので、見物客なしで大文字焼きをやったそうじゃよ。来年の2021年は大文字焼き100周年。来年こそ、日本中から強羅に集まってもらいたい。そのころは、コロナが終息していることを祈るばかりじゃ」
■“社会派ゆるキャラ” ヘルプマークなど認知度アップ活動も
--ごうらんさんとの友情も厚いですね。あれ? 今気付いたのですが、頭の葉っぱのところに何か赤い札のようなものをぶら下げていますね?
「よくぞ、御主気付いてくれた。これはヘルプマークじゃよ。儂のじゃ。ヘルプマークを皆さんに知っていただきたいと思って、外出するときなどはよく見えるところに付けておる。義足や人工関節を使用している方や内部障害や難病の方、妊娠初期の方といった外見から分からなくても援助や配慮を必要としている人がたくさんおるのじゃよ。そのことをお知らせするのがヘルプマークなのじゃ。だが、まだまだ知らない人が多い。だから地元市川などのイベントを通じて、ヘルプマークの認知度を高める活動をしているのじゃよ」
--ダイコン爺さんは大根の普及だけではなく、社会貢献活動もされているんですね。まずは地元市川から情報を発信されているということで。
「そうじゃよ。まずは足元を固めながらの地道な活動が大切じゃ。このほか、子どもの虐待防止のシンボルマークとしてオレンジリボンを広める運動と、乳がんについての正しい知識などを多くの人に知ってもらおうとするピンクリボン運動にも参加しておる。儂は、これらの活動を通じて子どもや女性、障害者に優しい未来になってほしいと祈っておる」
■今年最後の「ゆるキャラグランプリ」にも出場!
--まさに“社会派ゆるキャラ”。頭が下がります。今後はどのような活動をされていく予定でしょうか?
「近々は、今年が最後の開催となる『ゆるキャラ®グランプリ2020 THE FINAL』に出場する。エントリーしているのは海外も含め985体ほどじゃ。昨年は47位、最後の今年は1つでも順位を上げたられたら。投票を受け付けておるから、御主も投票してくれたらありがたい」
--応援させていただきます。ただ、「まいどなニュース」は関西発のメディアでして。お力になれるかは微妙ですが…最後になりますが、読者の方へメッセージを。
「関西といえば、大阪の『大阪四十日大根(おおさかしじゅうにちだいこん)』殿や『田辺大根(たなべだいこん)』殿、兵庫の『御津大根(みつだいこん)』殿や『轟大根(とどろきだいこん)』殿など大根の産地がたくさんあるのじゃよ。ぜひお会いしたいものじゃ。コロナの終息後になってしまうが、楽しみにしておる」
◇ ◇
■「コロナ終息後にお会いしたいものじゃ」by 爺さん
謎の白い物体の正体は、大根をこよなく愛し日本の明るい未来を願うゆるキャラだった。少しでも気になった方は、コロナが終息後にぜひ千葉県・市川に足を運んでほしい。
▽ダイコン爺さんのプロフィール
誕生日:5月13日
年齢:シワの数
身長:箱根大根3本分
体重:桜島大根3本分
趣味:縦書き川柳、散歩、温泉
特技:葉っぱ占い、葉っぱ剣術
ペット:マイクロブタ
肩書き:箱根強羅観光親善大使
所属:ダイコン爺さんプロジェクト
出演メディア:「ダイコン爺さん to 土肥のモッチャン」(毎月第2水曜 21:00~21:45 FMISみらいずステーション87.2 MHz )
※毎月抽選プレゼントがあります。ご希望の方は、郵便はがきに「番組へのメッセージ」を添えて、郵便番号・住所・氏名・PN(ペンネーム) or HN(ハンドルネーム)を明記して郵送ください。宛先は下記の通り。
「〒272-0032 市川大洲郵便局留め ダイコン爺さん to 土肥のモッチャン 抽選プレゼント係 宛」
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)