憧れの関西の高級ホテルが価格破壊、1泊2食付きが1万円以下でOK

迷走を繰り返し、非難轟々、政府主導のGO TOキャンペーンだが、各自治体はこれを機に地元の人向けに地元の良さを再発見してほしいというコンセプトで独自のキャンペーンを展開している。確かに、自治体の言う通り、県内や隣接県程度なら、どこの観光地もかつてないガラガラぶりで、どこへも並ばず、3密を避けてお出かけできるという意味では、ありなのかもしれない。

こうしたキャンペーンもさることながら、今、近所へのショートトリップがお勧めな理由は宿泊料金がとんでもない底値になっている点だ。その価格破壊っぷりは尋常ではない。

旅行サイト「じゃらん」から9月のホテル予約、一室二名、一泊二食付きで検索すると、大阪駅前のホテルモントレが7475円(一人当たり・税サ込・以下同様)、リーガロイヤル大阪は8541円と、高級ホテルにもかかわらず、低価格路線で有名な湯快リゾート(一泊二食付き7500円~)並みのプランが続々と投入されている。もちろん、大阪だけではない。

神戸でも、ベイシェラトンホテル&タワーズが7540円、神戸メリケンパークオリエンタルホテル8547円と破格、ホテルが「高い」と有名な京都も、東急ホテルでは曜日問わずの一泊二食付きプランが6435円、新都ホテル6045円、ホテルグランヴィア京都9100円とぶっ飛び価格だ。何度も言うが、いずれも一泊二食付きだ。

ビジネスホテルの価格破壊はさらにすごい。ビジネスホテル激戦区大阪本町に位置するスーパーホテルPremier大阪・本町(天然温泉付き)では、一室二名朝食付きに3000円分の夕食食事券付きでなんと一人3536円だ。食事代を考えればもはや宿泊費はタダと言ってもいい。

なぜ、こうしたぶっ飛んだ料金が多発しているかと言えば理由は簡単だ。

コロナ禍で観光客、ビジネス客共に激減し、その両者を顧客層に抱える都市部のホテルではダンピング競争がいよいよ激化していることに、GO TOキャンペーン割引(宿泊代金35%引き)が加わり、これまででは考えられない料金体系になっている。いずれも、一泊二食付を紹介しているのは、GO TOキャンペーンは宿泊代金にしか割引が適用されないが宿泊に食事が伴う場合はそれも割引対象になる為、結果的にお得になるためだ。もちろん、宿泊のみだとさらに安いことは言うまでもない。大阪はGO TOと併用できる形でさらに2500円分をキャッシュバックする「大阪いらっしゃいキャンペーン」を実施してきており、組み合わせるとさらにとんでもないことになっていた。(8月末まで。延長については未発表)

9月からは、さらに提示料金(GO TO割引前価格)の15%分が旅行中に限り使える地域クーポンとして発券され、昼食代やお土産代に充てることが出来る。

普段なら行くこともない近場の宿泊だが、たまには近場のホテルに泊まって、地元のお土産物でも買ってみるというコロナ禍ならではの違った楽しみ方もあるのではないだろうか。

◆村山 祥栄(むらやま・しょうえい)前京都市会議員、大正大学客員教授。1978年京都市生まれ。専修大学在学中は松沢成文氏の秘書を務める。リクルートを経て京都市議に。2010年、京都党を発足。2020年2月の京都市長選で出馬も惜敗。現在は大正大学客員教授。

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