青山いきいきプラザ入口→青山斎場→墓地下……バス停の並びが「どんどん活気を失っている」と話題に
「青山いきいきプラザ入口」、「青山斎場」、「墓地下」……
東京都港区南青山2丁目にある都営バスのバス停の名前の並びが「どんどん活気を失っている」とSNS上で話題になっている。
これらのバス停は「新宿駅西口」と「品川車庫前」を結ぶ都営バス「品97」という路線上にあるもの。高齢者支援施設「青山いきいきプラザ」から青山霊園の一角にある青山斎場を経て青山霊園の下(実際は「南端の斜面下」という意味だが)へ……。実際に施設を利用されている方には恐縮だが、そのルートは人間の晩年そのもの。
底知れぬ縁起の悪さを感じてしまうが、なぜこのようなバス停の並びが出来てしまったのだろうか?都営バスを運営する東京都交通局の広報ご担当者にお話をうかがった。
中将タカノリ(以下「中将」):いちゃもんをつけるようで恐縮ですが、今SNS上で品97路線の「青山いきいきプラザ入口」、「青山斎場」、「墓地下」が話題になっています。ちょっと縁起の悪い並びかなーと思うんですが、こういうバス停の名前ってどうやって付けられるんでしょうか?
担当者:特にルールがあるわけではないのですが「ドコソコ3丁目」のように地名がそのまま利用されることが多いですね。あとは公共施設や交差点の名称もよく利用されます。自治体からネーミングの要望があればそれにこたえる場合もあります。
中将:品97路線の縁起が悪いとされるバス停たちも「青山いきいきプラザ入口」、「青山斎場」はたしかにそのままですね。「墓地下」のネーミングを考える時に「ふふ…縁起悪い区間作ったれ」といたずら心が作用したなんてことはないですよね?
担当者:はい……まず何の意図も無いと思います。「墓地下」のネーミングの由来については資料がないためちょっとわかりませんが……。
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無礼な取材にも誠心誠意お付き合いいただいた東京都交通局の広報ご担当者に感謝したい。きっと東京都交通局はユーモアを理解できる風通しのいい職場だ。
なお、その後の調査によると「墓地下」がある外苑西通りはかつての都電7系統の専用軌道の跡地。「墓地下」はもともと都電の「墓地下停留所」だったものが引き続きバス停の名前として利用されていることがわかった。
このあたりは明治時代以来、青山霊園があるためそれに関連した施設や地名が多い。そこに約10年前に青山いきいきプラザが開設したことにより、はからずも今話題になっているような縁起の悪いバス停の並びが出来てしまったということのようだ。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)