コロナによる苦境から生まれた珍商品「神戸レザーハンド」…これで感染対策もバッチリ?
新型コロナウイルスの流行により大きな影響をうけたアパレル業界。
中でも「ファッションの街」を標榜してきた神戸は特に大きなダメージを受けた地域で、関連各社は生き残りをかけ試行錯誤を続けている真っ最中だ。
そんな中、全国的な靴の生産地として知られる神戸市長田区からユニークな新商品が登場した。その名も「神戸レザーハンド」。
神戸レザーハンドはいわゆる「新型コロナウイルス感染症対策商品」。電車に乗り、つり革を持つ際に、直に手で持つのではなくこのレザーハンドを使うことでウイルスの付着を防ごうというものだ。昔、カラオケスナックでマイクにハンカチをあてて歌うおじさんがいたが、そのノリと言えば分かりやすいだろうか。
シンプルな発想ながら、いろんな意味で異彩をはなつ神戸レザーハンド。
長田の靴メーカーに呼びかけ、この商品を企画・販売した株式会社DISCの壁屋達也さんにお話をうかがった。
中将タカノリ(以下「中将」):神戸レザーハンドを企画されたきっかけをお聞かせください。
壁屋:弊社は主にアパレル通販を手がける会社なのですが、新型コロナの影響で抗菌加工商品の需要が増え、新商品を模索していたところ、知人のご紹介で長田の靴メーカーさんとのコラボが決まりました。
メーカーさんは百貨店や靴の販売店に卸をなされていたのですが、このコロナの影響で出荷が止まり、一時は存続も厳しいくらい売上が減少されたそうです。
もともと縫製技術が高い職人さんの集まりなので、まずは製造ラインをマスクに切り替えて販売される事になりました。それが弊社で発売し、ご好評をいただいている「神戸マスク」です。
そして第2弾として衛生用品も作ろうということになり、今回の神戸レザーハンドの発売に至りました。
中将:商品に込められたこだわり、一押しのポイントをお聞かせください。
壁屋:やはり第一には少しでもコロナの感染をくい止めることに貢献したいという思いがありました。神戸レザーハンドはシンプルな見た目なのですが、内側に長期間継続する抗菌加工がなされています。
つり革はもちろん、ドアノブなど不特定多数の方が触れるものに対し使っていただけるよう工夫しました。
もう一つは、同じ兵庫県内の会社としてコロナのダメージを受けておられるメーカーさんと、なにか良い形でコラボレーションをしたかったということです。
うちとコラボレーションするだけで全ての損益を埋められるほど甘い状況ではないと思いますが、コロナ後に次のステップに移行されるまで、少しでもお力添えできればと思いました。
中将:企画されたご本人に対し言いにくいのですが、実際に電車で使うことに少し勇気がいるのではと思ってしまいました。
壁屋:これまであまり無かったタイプの商品なので、抵抗のある方はいらっしゃるかもしれません。悪目立ちしないよう、なるべく自然で高級感のある色合いのレザーを使用したつもりではあるのですが……。
コロナ流行を境にこれまでの常識が劇的に変化していますので、良い形でその変化の波に乗れればと思っています。
中将:神戸レザーハンドは今後のさらなる展開の予定はあるのでしょうか?
壁屋:ファッショングッズ的な要素も強化したいので、できればカラーバリエーションも増やせれたらと思います。ひとまずは多くの方にこの商品を知っていただき、愛用していただけるよう頑張りたいと思います。
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【株式会社DISC】
所在地:兵庫県川辺郡猪名川町島佃12-1
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神戸レザーハンドのイメージキャラクターをつとめる音楽グループ「半熟BLOOD」の菜つ美さんにもお話をうかがった。
中将:菜つ美さんはじめ半熟BLOODのみなさんはイメージキャラクターということで、いち早く神戸レザーハンドを使用されているそうですね。実際に使ってみた感想はいかがですか?
菜つ美:正直、初めは“意識高い系みたいに思われたらどうしよう……”と使うことを躊躇していたんですが、いざ使ってみると直につり革を持つより手も楽だし、隣に立っていたお姉さんに“いいわね”ってほめてもらえました。
衛生的だし、女性には一般的なつり革の位置が高すぎることもあるので素晴らしい発想だと思います。
イメージキャラクターとして、神戸から全国の鉄道利用者に広めていきたいです。
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【半熟BLOOD (はんじゅくぶらっど)】
2012年結成。北神急行電鉄の公式応援ソング「恋のトンネル」、「トンネルの向こうで待ってる。」を担当し“鉄道系音楽グループ”として注目を集める。
菜つ美は実兄、橋本大祐とのコントユニット「橋本兄妹」でもTicTok開設1ヶ月で約1500万回再生を記録し話題沸騰中。
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歴史を振り返れば、登場した当初は奇抜に思われていても、実質と需要が伴えばいつの間にかスタンダードになっていたという現象はよくある話。神戸レザーハンドが日本中の電車内で見かけられる日も近いかもしれない。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)