音楽好きにうってつけの「アゲアゲマスク」 楽器職人が作ったフェンダーのアンプ風マスクが話題に
新型コロナウイルスの流行以来、身近なアイテムになったマスク。
感染拡大を防止するためには仕方がないのだが、いざ付けてみたら暑いし、ちょっと付け忘れたら白い目で見られるしと、けっして皆がポジティブな感情で向き合えてるわけではないと思う。
しかし今、SNS上ではそんな人ですら「カッコいいじゃん!」と気分が高揚するようなあるマスクが話題になっている。それはフェンダーのアンプ風マスク!
「フェンダー アンプ風マスクを作ってみました。 ツマミは木製、ランプはエポキシ、グリルクロスは純正を取り寄せ、ロゴプレートはステンレスワイヤーにはんだ付けで作りました。」(八幡公房のツイート)
ボリューム等のツマミや電源のランプからグリルクロス、ロゴにいたるまで、本物そっくりのこのマスクはどのような経緯で制作されたのだろうか?制作したご本人である千葉県市川市の八幡工房、田中基史さんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ(以下「中将」):Twitterでこのマスクを見つけた時は思わずニヤニヤしてしまいました。このマスクを制作されたきっかけをお聞かせください。
田中:全国でマスク不足が報じられていた頃、「もっとユーモアがあって楽しい気分になるマスクがあればいいな」と思ったのがきっかけです。その際、ふとフェンダーアンプのイメージが頭に浮かび、すかさず絵を描きました。
「フェンダー 社さん。 こんなマスク作ってくれんかな…」(4月21日の投稿 )
中将:すでに4月の時点でアイデアをお持ちだったんですね!実際に制作される上でこだわった点、苦労された点は?
田中:できるだけ本物に忠実にパーツはイチから手作りする事にこだわりました。そしてなにより大事なのは実際身に付けてもフェンダー のカッコ良さが表現できる事です。
苦労した点は、左上のFenderと書かれたロゴプレートです。こちらはステンレスワイヤーにハンダを盛るいわゆるハンダアートの手法を参考に文字を形成しました。今回使用したハンダは鉛の使われていないタイプの物で、通常配線で使用しているハンダより融点が高く、扱いが慣れていない事もあり、何度もやり直しを繰り返しました。
中将:小さなマスクにこれだけのデコレーションをするとなると本当に大変だったと思います……。田中さんはこのマスクを実際に装用されているんですか?
田中:今回は本物に忠実に製作する事が目的だったので、純正のグリルクロスを使用しました。グリルクロスはスピーカーを保護するためのものなので残念ながら、マスクとしての機能は発揮されません。口に付けることくらいはできますが、あくまで観賞用として作らせてもらいました。
中将:反響についてご感想をお聞かせください
田中:思わぬ反響に正直驚いています。
私が思い付きと好奇心だけで製作したマスクに、沢山の方からカッコいいとメッセージを頂いた事はとても嬉しく、今後の創作への励みとなります。
次は国産アンプ風のある物を作る予定です。
ギター製作の合間に少しずつ進めて行こうと思っています。
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このマスクは今後販売の予定はないらしいが、SNSで披露してもらうだけでも十分な楽しさだ。「次は国産アンプ風のある物を作る予定」ということだが、田中さんが今後どのようなユニークな作品を手掛けられるのか期待して待ちたい。
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)