「もっと話をしたかった」…「親の死」を迎える前にやっておけばよかったこと、直面したママたちに聞いた

わが子と同様、自分にとって一番近い存在なのが「親」。親の死に直面したとき、耐え難い悲しみとともに、「あのときもっとこうしてあげればよかった」「あれをやっておけばよかった」という後悔や自責の思いに駆られてしまいます。悲しいですが、人は必ず死を迎えます。「親の死」を経験したママたちの、「あのときやっておけばよかった」という、ちょっとした後悔や思うところを紹介します。

■もっと親と「深い話」をしたかった

子育て、家事、仕事。自分の生活で手一杯で、親とじっくり深い話をできなかった…後悔先に立たず、そんな「もっとたくさん話をしておけばよかった」と後悔するママたちに話を聞いてみました。

   ◇   ◇

▽母と「子育て」について語り合いたかった

母は4年前、65歳という若さでくも膜下出血であっけなく亡くなってしまいました。布団を畳んでいるときに意識を失い、父がすぐ救急車を呼びましたが、意識が戻ることなくそのまま…母には時々子どもを保育園にお迎えに行ってもらったり、夕飯を作って持ってきてくれたり。散々迷惑をかけたのに、自分のことで精一杯で、つい母の一言に反発したり、ときに口げんかになったり。もっとたくさん話したかったし、「母が子育てでどんな苦労をしたのか」を聞きたかったなぁと、ものすごく後悔しています。〔Yさん、子ども7歳、5歳〕

   ◇   ◇

▽父の人生をほとんど知らない…

遠方に住んでいる両親、父は3年前に亡くなりました。あるとき母から「お父さんが認知症になっちゃって…」と連絡がありました。まだ子どもも小さいし、なかなか会いに行けず、会いに行けても認知症は進んでしまい、あまり話もできないまま私のことも忘れてしまうように。父が亡くなった後、母と遺品整理をしていたら、父の昔の写真がたくさん出てきたんです。幼少時代、学生時代、社会人のとき…「そういえば、父がどんな青春時代を送ったのか、どんな仕事をしていたのか、ぜんぜん知らなかった…」と無性に悲しくなり、父が元気なときにもっと話しておけばよかったと。〔Sさん、子ども10歳、6歳〕

■後回しにしないで、事務的なことを話し合うべきだった…

「まだまだ元気だから、いつかね」と財産管理や土地、保険のことなど、なにも話し合わないまま後回しにしているうちに、親が亡くなるというケースは多いようです。亡くなった後のことを話し合うなんて悲しいですが、親が元気なうちに事務的なことを話し合うべきだったと後悔するママのエピソードを紹介します。

   ◇   ◇

▽家じゅうをひっくり返して大捜索

2年前に父が心疾患で急逝。両親ともずっと共働きで、いまだに銀行口座も別々、支出も別財布、お互いの収入すら把握していない状況だったそうです。もちろん通帳や銀行の貸金庫の鍵がどこにあるかも聞いていない…葬儀が終わって悲しみが癒えないまま、母と(私の)姉と3人で泣きながら家じゅうを大捜索しました。「なんで聞いておかなかったの!」と母を怒鳴っちゃったし…今思い出しても大変な騒ぎでした。日ごろから重要なものがどこにあるか、夫婦で確認しておこうと肝に銘じましたね。〔Tさん、子ども8歳〕

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▽所有していた土地が複雑すぎた!

両親と(私の)兄が同じ敷地内に住んでいたのですが、兄の海外赴任で、兄の家を人に貸していました。父が急逝し、無頓着な母は「私には無理~」と諸々の手続きをやろうとせず、兄は海外…結局私がすることに。土地が「父、母、兄、兄の子ども、私」の名義に細かく、しかも変な風に複雑に分けられていたので、それをスリム化したり、他にもビルの一室を持っていたことが判明して、その所有についての手続きをしたり…。仕事の合間に役所や登記所に行き、書類を書き、さまざまな確認を取り…大仕事を終えた感じでした。父が亡くなったことはとても悲しく辛いですが、生前に土地がどういう状態になっていて、今後どうすればいいか聞いておけばよかった、と。事務的なことってかなり大切なんだと痛感しました。〔Iさん、子ども14歳、10歳、6歳〕

■亡くなった後の本人の希望を聞いてあげればよかった

親が闘病中はとにかく「死なないで」という気持ちが先に立ってしまい、「死」から目をそらしてしまいがち。でも、亡くなった後、どのような葬儀をしたかったのか、自分の死後にどんな願いがあったのか、聞いておけばよかった…と後悔するママたちの話を聞いてみました。

   ◇   ◇

▽1年半の闘病生活、最期の願いはなんだったのか…

持病が悪化し、約1年半入院していた母。仕事の合間にお見舞いに行きつつ、子どももまだ小さかったため、病院に行っても1時間くらいしかいられず、という感じでした。でも、父も私も(私の)弟も、「母は治る」と信じていました。その矢先に容体が急変、私たちが病院についたときにはすでに心臓は止まっていました…。病院に行っても、いつもたわいもない話しかせず、母は何を願っていたのか、何が望みだったのかも聞けなかった。母は元気なころ毎週教会に通っていたので、葬儀は教会で執り行いました。少しでも願いを叶えられたのかな…〔Hさん、子ども12歳、10歳〕

   ◇   ◇

▽遺された父の行く末を案じていた

母は、軽度認知症の父を在宅で介護(といっても、軽度なので出かけるときに付き添う、物忘れがひどいときのサポートなど。それも大変ですが…)していました。しかしその母が癌で入院、進行が早く半年で亡くなりました。最期まで「お父さんをよろしくね。でも、あなた(私)も子どもたちのことで大変だから、無理しないでね」と父の行く末を案じていました。でも私の長女に発達障害があり、下の子も小さかった。仕事もあるので、父を家で見るのは難しく、父と話し合って(話すときは割としっかりしています)、近くの老人ホームに入ることに。「在宅で父と一緒に過ごせなくてごめんね」という気持ちは今でも大きいですね…〔Fさん、子ども11歳、7歳〕

   ◆   ◆   ◆

親の死は、なかなか受け入れがたく、乗り越えるにも時間がかかります。たとえ何十年経っても、思い出せば涙が出てくる…とはいえ、それは誰もが必ず経験しなければならないこと。いつか必ずやってくるそのときに激しく後悔しないためにも、親とたくさん話してみてください。産んでくれてありがとう、育ててくれてありがとう、という感謝の気持ちとともに。親には「なによ、どうしたの?急に」なんて言われちゃいそうですが…。

そして、辛く悲しい人の死にも、どうしても「事務的なこと」はついて回ります。親の死後に関するいろいろな手続きについても、今から知っておいた方がいいかもしれません。

(まいどなニュース/BRAVA編集部)

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