運動会もオンライン配信の時代に? コロナ禍でライブ配信事業社に問い合わせが殺到
いまだ教育現場にも大きな影響を及ぼしている新型コロナウイルスの感染拡大。通常の授業だけでなく、学校行事でも延期、中止、縮小など、子どもたちの思い出作りの場が奪われてきている。これから秋の運動会シーズンを迎えるが、どこの学校も縮小傾向で密を避けるため、観覧の中止などは止むを得ない状況となっている。子どもたちだけでなく、我が子の活躍を楽しみにしていた保護者にとっても、悲痛な思いだ。
観覧に関しては、各学校の対応はさまざまなようで神奈川県横浜市にある小学校では、今年が最後となる6年生の保護者限定で観覧を実施する予定で、他の学年の保護者の来場は認めていない。また、別の学校では、学年をまたがたる選抜リレーなどの競技は実施せず、学年ごとの競技のみを行い、その時間帯のみ、それぞれの学年の保護者の来場を許可するなど、密を避ける対応を行っている。
そんな状況を受け、運動会のライブ配信を行う動きが出てきている。都内にある学校行事のDVD制作などを行っていた株式会社アートワークスでは、今年から運動会のライブ配信事業を展開している。「運動会のライブ配信について、問い合わせが殺到しています。スタッフの都合上、日程が被ってしまっている学校様には、お断りをさせていただいている状況です」と、同社コンサート事業部の鈴木淳哉さん。
もともと、都内を中心に音楽会、合唱コンクールなどの撮影やDVD制作、ライブ配信を行っていた同社。「これまで運動会のライブ配信に関しての問い合わせは極めてレアでした」(前出・鈴木さん)。しかし、今秋は70件~80件ほどの問い合わせがあるそうで、私立の学校だけでなく、国公立の小学校、遠方では大阪の学校からも相談があるという。
小学校の運動会といえば、かつては早朝から場所取りのためにお父さんが並ぶ、という光景が当たり前となっていたが、これからは場所取りの必要はなく、これを機にオンラインで楽しむ時代になるかもしれない。
(まいどなニュース特約・服部 健二)