疎遠だった母が急逝…えっ!家に18匹の猫がいた さあどうする、現役プロボクサーが取った行動は?
一人で18匹の猫を飼っているプロボクサーがいる。大阪市の島川大器さん(35)は今年5月、疎遠だった実母が心筋梗塞で急逝。自宅に足を踏み入れると、18匹の残された猫がいた。形見となった子たちを引き取り面倒を見ているが、えさ代などで月12万円の費用がかかるのが悩み。YouTubeやSNSを通じ「この子たちを見て運命を感じていただける」里親を募集中だ。
部屋に足を踏み入れた時「あっ!」と叫んだという。野良猫や保護猫を受け入れていることは聞いていたが、まさか18匹いるとは夢にも思わなかった。病院で母を看取った後、島川さんは「ごはんや水をあげにいかないと…」と思い母の家を訪れた。せいぜい5~6匹だろうと思っていたが、想像をはるかに超える猫たちが駆け寄ってきた。
どうやって育てていこう-さすがに途方にくれたと振り返る。親族間で母が残した猫について話し合ったが、皆世話をすることには消極的だった。保健所への持ち込みさえも口にする親族たちに「母が残した子。この子たちを消して、なかったことにするのはあり得ない気持ちだった」と反発。18匹を一手に引き取り、里親を探すことを決めた。
島川さんの妻は猫アレルギーで、自宅では一緒には暮らせないことが発覚。近所の長家の一室を借り、猫のすみかとした。朝と晩に訪れ、18匹の世話に1日5~6時間。家賃やえさ代、病院代などに月12万円かかる。「ボクシングをしたいが、母が残したこの子たちの命を無視して自分のやりたいことに時間やお金を使うようなクズな人間にはなれない」と、フライ級で活躍するプロのリングは休業状態。飼育代はプログラマーとしての収入を充てているが、貯金を切り崩している状態だ。
母の形見となった猫たちの幸せを、切に願う島川さん。YouTubeを開設して里親探しをしているが、安易な引き渡しはしないと心に誓う。「この子しかおらへん!と特別に思ってくれる方が望ましい。そうでなければ無理って気持ちなんです。この子たちを見て運命を感じていただけたら、ご連絡いただきたいです」と、運命の里親が現れる日を望んでいる。
「この子たちのことを広く拡散していただくご協力をお願いしたいです。多くの方に見て知っていただくことで、いつか運命の方にめぐり会えるので、拡散にご協力いただけることが最も重要で強力だと思っています」
猫たちは、みんなかわいく甘えん坊。待望のごはんの時間になると、18枚並べられた皿に駆け寄る姿は圧巻だ。島川さんが寝そべると、お気に入り位置の取り合い。「このあたりが、一番の場所みたいです」と、胸元の猫を抱き寄せる。悪戦苦闘しながらも、どこか楽しそうだ。
ずっと疎遠だった母への思いも気づかせてくれたという。「死んでから、自分は母が好きだったことに気づいた。残した猫と一緒に生きていることで、母が思っていたことや気持ちがわかる。母に無関心だったが、どんなに大きな存在だったことか…猫に教えられた」。形見となった18匹の猫と向き合ううちに、自身に注がれたであろう母の愛情が理解できた。
(まいどなニュース/デイリースポーツ・杉田 康人)