大学に推薦入試で合格すると、秋に入学金が必要!?…子どもの教育資金、ママたちが焦った「落とし穴」
知っていますか? 大学入学金って、3月に納付するとは限らないんです。早い場合には9月10月(つまり高校3年の秋)に納付しなくてはならないケースもあるんです。教育費は今や幼いうちから貯蓄して準備しないと厳しい時代。コツコツ貯めてきたはずの教育費が足りなくて焦る!なんてことがないように、いくつか「その時まで知らなかった」と先輩ママたちが焦った例と、お子さんが小さい今からできることについてお話します。
■中学の部活費用ってどれくらいかかるの?
▽Nさん/44歳/子ども中2・小5
公立小学校から中学校、この9年間で教育費を貯めようと思っていました。でも中学に入ってからは部活の費用がバカにならず、また男の子二人ということもあって食費もうなぎ登り。夫はともかく私は昇給も頭打ちで年収は横ばいなのに、支出は増えるいっぽうで、毎月赤字にしないようにするので精一杯です。
◇ ◇
公立中学で、塾以外に意外な出費として痛いのが部活にかかるお金です。スポーツ系だとこんな感じですね。
・部費(月額1000円~3000円くらい)
・ユニフォーム代(平均2万~5万)
・道具代(2万~)
…スポーツによりますが、なんにせよ「シューズ、道具、それを入れるバッグ」なんかで、あれよあれよとお金がかさみます。
・合宿費用(2万~5万)
…合宿費用も積立しているところは少なく、いきなり「合宿の予定と費用」のお知らせがきてアタフタします。合宿は遠方が多いので当然交通費も含まれ(バスなど)、それなりの金額になります。
・交通費
…試合や練習試合で、電車代やバス代がかかります。塵も積もれば…で、財布をジリジリと締め上げてきます。
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「対外試合だとか、終わった後に友だちとファミレス行くとか、部活のことだと“おこづかい”の範囲外という感じになっちゃってて、1000円程度でも渡すことになる。これが続くと、あれ、いつの間にこんなにお金なくなってるんだ!?って感じになるんだよね」(Nさん)
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そうなんです。部活と聞くと、なんとなく学校行事の一環のイメージですし、部活動自体は悪いことではありませんから、子どもに言われるとついお金を出すハメになります。それが積もり積もってくると、家計を圧迫してくることもあります。スポーツ系だけでなく、吹奏楽などもお金はかかります。
小学生で1つか2つ習い事をさせているとしたら、それがそのまま「部活費用」にスライドされていく。子どもにかかる費用が「小学校卒業と同時に減る」ことはまずほとんどありません。
■公立中学・高校だから「お金はあまりかからない?」
▽Hさん/47歳/子ども中3
公立中学に進んだけれど、最初の中間テストの結果にビックリ。高校受験を考えて、中1の夏から塾に入れました。この費用がどんどんふくらむので、私立中の学費とそう変わらないんじゃないかと思いました。
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▽Aさん/50歳/子ども大学1年
都立高に無事進みホッとしていましたが、今度がすぐに大学受験のために塾通いがスタート。年間にして(安い方だと思います)50万くらい、高3では80万くらいかかりました。それで大学入学費用もあるわけで、学資保険1本の我が家は、もうひとり子どもがいたらどうなっていることやら、と青息吐息でした…。
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私立進学の方がお金がかかるのは事実ですが「私立に行かせても公立に通わせても、かかるお金は大きく変わらない」とも言われます。これは一部ですが当たっているところもあり、出来が良い子どもならばともかくとして、結局「塾へ通わせる」とすれば、月額2~3万円は当然かかりますし、まぁ実際にはもっとかかります(夏期講習や模試などがありますから)。
公立だからお金はかからない、教育費はかからないと決めつけないでおくことです。縁起の悪い話を書くようで悪いのですが、実際に公立を受けたものの不合格で私立高校へ進むということもないとは言えません。まして大学は国立に進む子はひと握り、私立大学や専門学校を視野に入れると、入学金こそ積立をしていても、その後数年は毎年学費がかかることも忘れてはいけません。
■大学に推薦入学した場合
▽Kさん/子ども高3
推薦入試で大学の合格もらって親子でウホウホしてたら、さっさと入学金と学費の納付書送られてきて驚愕。それが88万円!しかも11月に全額納付です。学資の満期は先だし、あちこちの貯金引っ張り出して夫婦で大騒ぎでした。
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大学入学は最もお金がかかる認識は皆さんあると思います。その為に学資保険の満期を18歳にしている方も多いでしょう。4月満期では当然間に合わないから「2月」に設定しているわ、と安心していませんか?
実は高校3年生で推薦入学をした場合、ほとんどの大学では10月11月に入学金等を納付するんですよ! ちなみに早い大学だと9月くらいに推薦で合格決まりますから、それから2~4週間以内の納付というのが一般的です。まだずーっと先のことと思っているでしょうが、一応心づもりしておきましょう!
■今からできることってあるの?
さて、とはいえ今まだ保育園や小学校低学年だと、将来の学費といわれてもやはりピンとはこないでしょう。第一「今だって、子どものお金、アレコレ大変なのに、この先もっとお金かかると言われてもどうしたらいいわけ?」…もっともなご意見です。
・学費
・教育費
・子ども費
と3つの費用がかかるとまず意識しておきましょう。学費は大学あるいは高校入学に向けて、地道に貯蓄するものです。学資保険や積立をコツコツ(決して途中でやめたりせずに!)貯めるのが基本。
教育費は、いわゆる塾や習い事のお金、中学以降は部活など課外活動にかかる費用です。塾や習い事は各家庭の考え方にもよるでしょうが、とにかく「上限」「予算」を決めておくのが賢いやり方です。部活費用も「出せない」とは言いにくいもののひとつですから、毎月いくらかの出費があると認識しておきましょう。部活用の道具は「お祝い金を貯めてある貯金から出す」など事前に計画しておくと慌てないですみますね。
そして子ども費は、スマホの利用料やお小遣い、服飾費、といったものです。子ども費は生活費のどこからか、なんとなく捻出してしまいがちです。子どもにかかる費用は我が家ではいくらくらいと把握した上で、生活費全般の割合と考えて「使いすぎていないか」「このままの費用をかけて将来大丈夫だろうか」と時折見直していきましょう。
やれやれ、いくつになっても「子育て」にお金は必要です! ひとつ、最後に紹介するのは、3人の子を育てたママの経験談です。
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▽Sさん/52歳/子ども大学4年・大学1年・高校2年
ウチは夫婦合算で年収700万くらい。これで子ども3人、中学や高校から私立はどうやっても無理。上の子が中学入学時、我が家の家計についてきちんと伝え
・進路としては大学はともかく高校は公立でないと厳しいこと
・塾は中3、高3の1年間だけ
・部活に必要な道具はお年玉で自分で買う
など約束をさせました。子どもも他の子より少ないお小遣いでしたが、ディズニーランドに行きたいからとお年玉をとっておいたり、お小遣いを貯めたり、日常の家計から出費しないですむよう考えるようになりました。身の丈に合った暮らしをするには、教育費や子どものことだからと例外にすることなく、できる範囲でやるしかない。「頑張って仕事しているけど、他の家と比べず、これが我が家の暮らしだからわかってね」と率直に話したら、理解してくれました。
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子どもに関わるお金の使い方は、実は子どもが「働いて稼ぐこと、稼いだお金をどう使うか、豊かな暮らしとは何か」を自然と学んでいくことにも繋がるのでしょう。
わが子のためにできるだけのことはしてやりたい。でも、お金をかければ輝く未来が保証されているわけでもない。お金に関する価値観を成長したわが子と共有できるよう、実際の貯金だけでなく「お金について、収入と仕事について」年齢に応じて少しずつ、親子で話す時間を意識して作るといいのかもしれませんね。
そいうえば、私が子どもの頃は「お小遣い帳」をつけさせられましたっけ。三日坊主で終わった気がするけど、そして今でも家計の切り回しは苦手な分野、偉そうに書いてしまいましたが我が家は夫がすべて家計管理しております…。
(まいどなニュース/BRAVA編集部)