死の予兆?死が近づいた時に起こる現象とは?…終末期ケア専門ホスピスナースの体験談
ルイジアナ州ニューオーリンズ在住のハドリーさんはSNSで話題を呼んでいる「ターミナルケア専門」のホスピスナース。優しい口調で率直に実体験を語ることから、ホスピスや終末期ケアに興味があるユーザーの関心を得ています。「ココロ温まる、死がテーマ」の絵本を手掛けている私にとっても関心が高いところです。
そこで、患者にまつわる奇跡的な話や、勤務中の怖い体験をオープンにシェアするハドリーさんに、死の予兆や死が近づいた時に起こる現象を教えてもらいました。
-ホスピスナースのお仕事について教えてください。
終末期ケア専門のホスピスでナースをしています。余命6カ月以下の患者さんの家を訪れて24時間体制で看護したり、残されるご家族へのケアや死後の処置を行ったりします。
-ホスピスナースのやりがいとは?
とても深く患者さんやご家族と関わることができることですね。自宅で長期間にわたり看護をするので、家族の一員になったような気分になることもあります。長年痛みに耐えてきた患者さんをケアできることにとてもやりがいを感じます。
-死の予兆について投稿したビデオが反響を呼びました。死が近づいた時に起こる現象について詳しく教えてくれませんか?
死の数カ月前になると、患者さんの多くは睡眠時間が長くなり、会話が減ります。ニュースや時事問題に興味がなくなり、訪問者をイヤがることも。だんだん食欲もなくなって、まず肉類を食べなくなります。また、食べ物の代わりに水やスムージーなどの水分をほしがる人が多いです。
-そうなんですね。その他には、どんなことが起こりますか?
死の数週間前には、目に見えない人と会話をするなど、ほとんどの人が混乱の兆候を示します。さらに睡眠時間が増え、1日に数時間しか起きなくなります。
-快方に向かうような場面があると聞いたことがありますが。
死の数日から数時間前になると、急に元気が出ることが多いです。例えば、寝たきりだった人が座って食事を完食し、また歩くようになったり、何カ月も話さなかった人が家族とおしゃべりをしたり。この変化に気づくのが難しい場合が多く「元気になった」と勘違いするご家族もいます。急に元気になったように見えたのに、その直後に体調を崩し、昏睡状態に陥ったり、ずっと寝たきりになる患者さんが多いんです。
-見守る家族も大変ですね。その後は?
それから手や足が青くなるほか、血圧は非常に低いのに心拍数が上がることもよくあります。呼吸が停止する前には、呼吸が非常に不規則になり、無呼吸の間隔が延びます。
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この世に生まれたからには「死」は避けられないことです。人生の最後に近づいた患者さんがくれたアドバイスや、余命数週間の末期がん患者の驚くべきストーリーなどをシェアするハドリーさんのビデオから、いまをどう生きるか、考えさせられることもあるのではないでしょうか。
(まいどなニュース特約・今井 悠乃)