竹内さん急逝後の78万件のツイートを東大准教授が分析 「メディアの報じ方に厳しい目」

9月27日に急逝した女優の竹内結子さん(享年40)に関してツイッターに投稿されたツイートをクラスタ分析したところ、いずれのクラスタにも、報道姿勢への批判が含まれていたことが、東京大学大学院工学系研究科准教授の鳥海不二夫さん(計算社会科学)の調査で分かった。著名人の自殺がセンセーショナルに報道されるたび、世界保健機関(WHO)の「自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識2017年版(「自殺報道ガイドライン」)」を踏まえた報道を求める声が上がるが、メディアの報じ方には厳しい目が向けられていることがうかがえる。

9月27日午後6時から10月1日正午までの期間で、竹内結子、自殺報道、著名人自殺、マスコミなどのキーワードで収集した77万8818件のツイート(リツイート含む)を収集。互いに似た性質のツイートを集めるクラスタ分析を実施した。

一番大きなグループは、ニュースが中心のクラスタだったが、二番目に大きなクラスタには、報道を批判するツイートが多数含まれていた。またいずれのクラスタにも報道姿勢への批判が含まれており、かなり多様なユーザーが報道姿勢への批判をリツイートしたことがうかがえるという。三番目以降のクラスタは、陰謀論▽人となりに関する情報▽芸能人のコメントなど芸能界関係だった。図にすると、クラスタは大きく分離しておらず、多くのユーザーがさまざまな情報に触れる機会があったとみられる。

また、多くリツイートされていたものでは

・マスコミは厚労省の規定した自殺報道ガイドラインを知らないんだろうか?

・センセーショナルな自殺関連報道は、とりわけ子どもや若者の自殺を誘発しかねないことから、WHOが『自殺報道ガイドライン』を公表。報道において「やるべきこと」と「やるべきでないこと」を列記しています。これを踏まえた報道をお願い致します。

・報道を過度に繰り返さない、自殺に用いた手段について明確に表現しない、自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えない、センセーショナルな見出しを使わない、写真、ビデオ映像、デジタルメディアへのリンクなどは用いない

・下記はWHOや厚労省に基づく『自殺報道ガイドライン』です。これだけネット上に出回っていて「知らなかった」とは言わせません。ご自分たちの部数やPV数と、守れる可能性がある命。どうか、判断を間違えないでください。

などがあった。

(まいどなニュース/神戸新聞・竹内 章)

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