「もうすぐ産まれる!家に入れて!」…庭に現れた三毛猫、お腹が大きくなってきたら態度一変、急に甘えるように
香川県に住む河田さんの家の庭に三毛猫が現れた。まったく懐く様子はなく、シャーと威嚇したり、噛んだりしてきた。ところが、お腹が大きくなってきて、出産日が近づいてくると、三毛猫は急に甘えるようになり、「家に入れてくれ」とでも言っているようだった。
■庭に現れた猫のお腹が大きくなってきた
2014年の春、香川県に住む河田さん宅の庭に、やせてボロボロの三毛猫が現れた。最初はフーシャーともの凄く威嚇してきて、全く触れなかった。庭の梅の木のところにいたので、「うめこ」と名前をつけてごはんを食べさせ、じわりじわりと近づいて、ブラッシングして慣らしていった。しかし、油断するとガブっと噛み付かれることが何度かあったという。
「本当ならすぐに保護すればよかったのだが、当時家には先住猫ののんちゃんとちびこくんという保護猫がいたんです。のんちゃんはメス猫で年齢不詳、ちびこくんは白血病でリンパ腫の治療中でした」
河田さんが保護を躊躇している間に、うめこちゃんのお腹は大きくなり、膨らみが目立つようになってきた。お腹が大きくなってくると、うめこちゃんの態度が一変!自分から河田さんに「ニャーニャー」言い寄ってくるようになり、それが河田さんには「産まれる~、入れて~」と訴えているように聞こえた。
■うめこちゃんの出産
河田さんは、「このままでは、うめこも生まれてくる子猫も危険だ」と思い、保護することにした。保護と言っても、「うめこー」と呼んだら、当たり前のように玄関からいそいそと入ってきた。リンパ腫のちびこくんがいたので、うめこちゃんは完全隔離した。のんちゃんとちびこくんは、うめこちゃんが家に入ってきても気にする素振りは見せなかった。
動物病院で簡単な検査をしてもらうと、「2週間後に産まれますよ」と、獣医師は言った。うめこちゃんには「私がいる時に産んでね」とお願いした。
2週間後、うめこちゃんは、朝からごはんを食べずにソワソワしていた。河田さんは、「今日産まれる」と思った。夜、仕事が終わって部屋に見に行くと、お産が始まった。1匹、2匹、3匹、4匹と産まれ、うめこも疲れたのかうとうとと寝始めた。「あれ、でもまだお腹が大きいような・・・」と思っていたら、1時間後に5匹目が産まれ、そしてしばらく間をおいて6匹目が産まれた。夜の19時過ぎから始まったお産は、23時半まで続いた。
子猫たちはすくすく育ち、里親が見つかった子猫もいたが、てんちゃん、ぽっちゃん、きいちゃんとうめこちゃんは、河田さん宅の子になった。河田さんは、子供の頃から猫と一緒に暮らしてきたので、猫を飼うのは自然の流れだった。
■本当の親子じゃなくても繋がれる
4カ月後、ちびこくんが亡くなり、うめこちゃんや子猫たちの隔離生活が終わると、先住猫ののんちゃんが子猫たちの世話をするようになった。
性格はみんな甘えん坊で、直ぐに膝に乗ってくる。子猫たちが2歳になった頃、先住猫ののんちゃんが亡くなった。のんちゃんに懐いていたきいちゃんは、のんちゃんを探して一週間鳴き続けたという。河田さんは、「本当の親子じゃなくても深く繋がっているんだなぁ」と感じさせられた。
河田さんの家族は、うめこちゃんを保護することには反対したが、可愛い子猫たちにすっかり魅了されてしまった。最近、河田さんのお母さんは、きいちゃんが表紙になったカレンダーのことを親戚に自慢しているそうだ。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)