東海大野球部の薬物使用問題で「夜回り先生」が訴え 大学生に広がる薬物乱用…入手経路解明で密売元の摘発を
東海大は17日、硬式野球部の寮内で、複数の部員による大麻の疑いがある薬物の使用が判明したため、同部を無期限活動停止にしたと発表した。神奈川県警が部員を聴取し、会見前日には寮を家宅捜索していた。「夜回り先生」こと教育家の水谷修氏は大学側の対応を評価する一方、学生たちが使用した大麻の入手経路に着目。大学側は、関係した学生の身柄を警察当局に渡し、任意での説明などによる捜査協力で暴力団が絡む可能性が考えられる密売本体を摘発し、大学生の間にまん延する薬物使用の元を断つべきと訴えた。
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大学野球の名門東海大学野球部で、複数の部員が大麻を使用したことで無期限の活動停止となったことが報道されています。
外部からの報告を受け、部員からの聞き取り調査をし、その上で大麻の使用を認めた部員の学生たちが存在したことから、所轄の警察署に通報し、野球部の寮の家宅捜索をしてもらい、同時に使用を認めた学生たちについては、大学の管理下に置いた。素晴らしい対応だと評価します。これまで、いくつかの大学が学生の薬物乱用で、しかも寮や学内での乱用で問題となったことがありますが、ここまでのきちんとした対応をしたことはありません。
大麻の使用に関しては、使用したのみでの逮捕立件はありません。所持で初めて犯罪となります。今回の場合、寮から大麻の現物は出ていないようですから、司法の場での犯罪となることはほぼないでしょう。あとは、使用した本人たちをどのように大学、そして野球部の指導者が指導更生していくかが大切でしょう。
ただし、一つだけ忘れてはいけない大切なことがあります。それは、今回学生たちが使用した大麻をどのような経由で手に入れたかです。
確かに、大麻については、使用のみで罰することはできず、現物が発見されない限り、つまり所持がない限り、犯罪とはならず、そのすぐ手前で終わります。しかし、それを、譲り渡し、あるいは密売した学生や売人については、現物としての大麻がなくとも、重大な犯罪となります。大麻をどのようにして手に入れたかを語らない学生については、犯罪隠微、犯人隠匿の罪に問われる可能性もある、重大犯罪です。
しかも、これは、大学当局が調査することではなく、所轄の警察が、使用を認めたそれぞれの学生の身柄を一端確保し、任意か逮捕かはともかくとして捜査すべき事です。そして、その流通経路、密売経路を特定し、その本体、密売元を摘発しなければなりません。しかも、まず、間違いなく、ほぼその密売の本体には、暴力団が関わっているでしょう。それを所轄の警察が、このような中途半端な捜査状況で終わらしてしまえば、それは、大変な問題です。
所轄の警察は、速やかに使用を認めた大学生たちを管轄下で事情聴取し、調書を作成し、検察による判断を仰いで欲しいと考えます。
東海大学にお願いです。関係した学生をすみやかに警察当局に身柄を渡し、任意で良いので、大麻の流通の経路をきちんと説明させてください。それが、彼らの再犯や再度薬物を乱用する関係をきちんと断つことになりますし、現在大学生たちの間に拡がっている薬物乱用の元を絶つことにつながります。
また、東海大学には、もう一つお願いがあります。関係した学生を単に退学処分で切り捨てるのではなく、無期限停学処分でもいいですから、一定期間社会的な活動や奉仕をした場合は、再度復学できる体制を作ってください。一度でも預かった大切な子どもたちなのですから。