犬派の夫が子猫を保護したら人懐っこい美猫に成長 お散歩大好き、地域猫に出会うと「鼻チュー」
子猫のマロンちゃんは、炎天下、たった1匹で住宅地の自販機のあたりをうろついていた。兵庫県に住む野村夫妻。夫は犬派だったが、甘えてすり寄ってくる子猫を見て、あまりの可愛らしさにスマホで写真を撮影、「大スクープ!子猫発見」と妻の携帯に写真を送った。
■人懐っこい子猫との突然の出会い
2019年8月7日の夕方、兵庫県に住む野村さんが職場で仕事をしていると、携帯に、夫から「大スクープ!子猫発見!」というメッセージが届いた。子猫の写真と動画も送られてきて、自宅の近隣に数匹の野良猫がいるのは知っていたが、子猫は見たことがなかったので、野村さんは驚いたという。猫を4匹飼っている同僚に写真を見せると、「3、4カ月くらいかな」と言われた。
「すぐに夫に電話すると、家の近くの自販機のあたりを鳴きながらうろうろしていたらしく、子猫の方から主人に近寄って、スリスリしてきたそうです。話している間も子猫から目を離さないようにしてもらい、周りに母猫らしき猫がいないかどうか確かめるよう夫に言いました」
野村さん夫妻は、母猫は見当たらず、子猫1匹だけだったので、とりあえず保護することにした。子猫は人懐っこく、難なく抱き上げることができた。
家にあったダンボール箱に入れると思いのほか活発で、すぐに飛び出してきた。野村さんが家に帰ると、すぐに近寄りくっついてきた。
「野良猫ではなく、飼い猫が脱走したのかもしれないと思うくらい人懐っこくて、すごく可愛いなと思いました」
子猫はお腹が空いていたのか、野村さんが帰りがけに買ったキャットフードの缶詰をがつがつ食べた。
■猫を飼うのはあきらめていた
野村さんは、子供の頃から猫が好きだったが、高校生くらいの時に猫アレルギーを発症した。子猫を見つけた時、猫アレルギーはだいぶましになっていたが、壁紙とか破られたり、家を汚されたりしては困るので、飼うのはあきらめていた。
「子供がいないので、何かペットを飼いたいと思っていました。ただ、夫は犬派で、昔は飼っていたこともあるらしく、じゃあ犬を飼おうかと話していたのです。一度だけですが、譲渡会に行ったこともあります」
譲渡会には小型犬がいなかったので、話が進むことはなかった。その矢先、子猫が現れたのだという。
野村さんはペット可の家に住んでいたこともあり、猫を飼うことにした。
「会社に猫を飼っている人がいて、相談もできるので、飼うことにとまどいはなかったです」
■元気な甘えん坊
翌日、仕事を休んで動物病院に連れて行くと、獣医師は生後2カ月くらいの女の子だと言った。少しノミがついていたので駆除薬をもらい、軽症の猫風邪もひいていたので薬をもらった。
最初は、ずっとタマちゃんと呼んでいたが、野村さんが「ありふれているから嫌だ」と言い、毛色が栗の渋皮に似ていたので、夫が「マロンちゃん」という名前にした。
子猫時代天真爛漫だったマロンちゃんは、1歳になっても甘えん坊。鳴き方が少し変わっていて、「ニャー」とは鳴かないが、そこも可愛いのだという。お散歩が大好きで、外に出たがって困るほど。
「マロンの散歩中に、私が可愛がっている近所の地域猫に偶然会ったことがあるのですが、ハラハラドキドキしながら見守っていると、お互いそーっと近づいて鼻チューしたんです。その時は感動しました」
マロンちゃんは、野村さん夫妻が帰宅すると出迎えてくれる。まるで子供ができたようだという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)