高崎市内の女性殺害、死亡した男性容疑者は自暴自棄の犯行か?警察の対応は?小川泰平氏が解説
群馬県高崎市内に止めたレンタカー内で18日夜、新潟市の会社員、大沢佳那子さん(30)が殺害され、現場から逃走したとみられる千葉県松戸市の男性会社員(36)が19日に同県内の宿泊施設で死亡しているのが見つかった事件を受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は21日、当サイトの取材に対し「計画性というより自暴自棄による犯行の可能性が強い」と推測した。
18日午後7時半ごろ、JR高崎駅付近の市道で「人が刺された」と通行人の女性から110番があり、現場に駆け付けた警察官が乗用車内で大沢さんが倒れているのを発見。病院に搬送されたが、約1時間後に死亡が確認された。
大沢さんは車の運転席付近で倒れており、胸に複数の刺し傷があった。運転席のドアがほぼ全開になった状態で、助手席の男が覆いかぶさるようにして胸を刺していた様子を通行人が目撃。群馬県警が殺人容疑で男性会社員の逮捕状を取り、行方を追っていたが、翌日に千葉県内の宿泊施設で死亡しているのを発見したと20日に発表した。遺書の有無は明らかにしていないが、自殺を図った可能性があるという。
小川氏は「亡くなった女性は6月頃に4回、新潟東警察署に相談に行っていました。内容は、男女間のトラブルで、ホテルで縛られて殴られたといった内容等であった。被害女性は事件化を望まなかったとのことです」と明かした。
さらに、同氏は「男の暴行に対して警察に相談に行っていたということは、男の行為が(女性の)意に反する行為であったことは明らか。しかし、なぜ、その男と高崎駅近くまで行き、しかも密室となる車両内で会っていたのか不可解ではある。男は被害女性を呼び出した時は『今回で最後だから』等といった言葉で呼び出したのではないか。4回も警察に相談した女性が、通常なら簡単に男の呼び出しに応じることは考え難い」と分析した。
殺意や計画性の有無について、小川氏は「容疑者は刺した被害女性を車内に残したままレンタカーを放置して逃げている。それでは犯人が誰かが簡単に分かってしまう。最低でも、ご遺体を隠そうとする。レンタカーも残さない。その点では計画性はあまりなかったと思われる。また、凶器を用意している点は、脅すためのものか、殺害するつもりだったのか、本人が亡くなってしまってので分からないが、最初から強い殺意はなかったのではないか」と指摘した。
一方、殺害された女性から相談を受けていた警察側の対応を問う声もある。小川氏は「今の段階では、警察の対応に関して一概に非難されるものではないが、傷害事件等で被害届を受理して捜査し、逮捕していれば、今回の凄惨な事件はなかったと思うと非常に残念です」と見解を示した。