「登校したら食堂寄って!」京都大学生協が悲痛な呼びかけ 新型コロナで経営危機に
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、店舗・食堂の利用者が大幅に減った京都大学生活協同組合が、債務超過に陥る可能性があることがわかりました。HPにアップした「経営状況のご報告と利用促進のお願い」では、激減した購買や食堂の利用者数を公表。「京都大学生協の灯を消さないために」と題した悲痛な呼び掛けに、ツイッターには「せっせと買いに、食べに行こう。対面授業ももっとやらないと!」「この先どうなっていくか、心配です。」などの投稿が見受けられます。
新型コロナのため、オンライン講義が基本になり、キャンパスから人がいなくなる事態になった京都大学。後期が始まっていますが、コロナ以前のにぎわいには程遠いのが現状といいます。
「経営状況のご報告と利用促進のお願い」によると、購買利用者は昨年度比56%減(868975人→380073人)、食堂利用者は同60%減(1263273人→500888人)と激減。教職員による公費利用こそ、在宅ワークやオンライン講義のため好調に推移していますが、ほかのすべての分野で大幅に利用が減少したといいます。その結果、本年度の決算見通しでは3億円の赤字が見込まれており、前年度までの累積損失金1億2000万円と合わせると、出資金額(2019年度末、4億7000万円)に迫り、「債務超過に陥る可能性が高まっています」と危機感をあらわにしています。
ツイッターでは「大学生協の存在は、専門書出版社にとっても非常に大きいもの。しかも、現在の状況で厳しいのはむろん京大さんに限ったことではないでしょうし…」「どうすれば良いんだ…京大卒の人に是非アイデア募りたい…」「このような状況は全国の大学生協でも同様と思われます。ご自身の加入している生協を守るための行動を出来る範囲でお願いします。」など、コロナ禍の他の大学生協を心配するツイートも見られます。
「このままでは資金繰りに影響する」として、生協理事会は今後、経営再建計画をつくる見込みです。京大生協の広報担当者は、まいどなニュースの取材に対して、「厳しい現状を組合員の皆さんと共有するためにあのような文書を公開しました。知恵を絞り苦境を何とか乗り切っていきたい」とコメントしました。
(まいどなニュース/神戸新聞・竹内 章)