「赤ちゃんってどうやってできるの?」…いつからどう教えている?性教育 小さい子、障害を持つ子への対応は
「赤ちゃんはどこから来るの?」「赤ちゃんってどうやってできるの?」子どもに突然そう聞かれて、返答に詰まってしまった経験ありませんか。ママ自身も、いつ誰に聞いたかなんて忘れてしまっているでしょうし、なんとなく知っていった、という人が多いのではないでしょうか。今はほとんどの小学校が、4年生くらいから少しずつ性について教えているようです。しかし、もっと小さい子どもが「赤ちゃんの由来」について疑問を持つことだってあるし、学校で習ってきてもいまいち理解できず親に聞く、というケースもあります。ママたちが子どもに性についていつごろ、どのようなことを、どのように教えたのか聞いてみました。
■園児~小学校低学年の「赤ちゃんはどこから来るの?」にどう答える?
「赤ちゃんはどこから来るのか」これは、子どもがまず最初に持つ「性への疑問」かもしれません。まだ小さい子どものそんな疑問に、親はどう答えているのでしょうか。
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▽絵本で教えた
「私、妹が欲しい。デパートで赤ちゃん買ってきて」年長の娘からそう言われ、ビックリとともに笑ってしまいました。「あのね、だれそれちゃん(娘)はママのお腹にいたんだよ」と言ってもピンとこないようなので、小さい子ども向けの「動物たちが赤ちゃんを産む」という内容の絵本を一緒に読みました。
最後に人間が子どもを産むページもあり(もちろん小さい子向けに描かれています)、それで少し理解したようです。「売ってるんじゃないんだ!」と言われたときはガクッと来ましたが…。〔Mさん、子ども5歳〕
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▽お風呂でミニ講義
「赤ちゃんって鳥が運んでくるの? 私も運ばれてきたの?」と言い出した年長(当時)の娘。どうやらそういう絵本を読んだようです。これはどう伝えようか…と悩みながら一緒に湯船に浸かっていたとき、なんとなく自分のお尻の方を指さしながら、「最初お腹にいてね、そこから道をグーっと通って、穴から出てきたんだよ」と伝えました。加えて、下の子は帝王切開だったので、「だれそれくん(弟)は生まれるときちょっとママが調子悪くなって、ここを切って出てきたの」ということも伝えました。
娘はビックリしたのかちょっと泣きそうになっていましたが、納得していました。そのときは早かったかなぁ、と反省しましたが、変にはぐらかしたくなかったので…。〔Tさん、子ども8歳、4歳〕
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▽出産に立ち会った
「どう教えた」ではないのですが、そのとき小1だった娘が、「どうしても(下の子の出産に)立ち会いたい!」と懇願してきました。「ちょっとリアルだし、ママも大騒ぎするかもしれないからやめておいたほうがいい」と諭しても、「大丈夫! 一緒にいたい!」の一点張り。主人、主治医とも相談して、「(娘が)ダメだと思ったらすぐ退室すること」を条件に、主人と娘が立ち会うことになりました。出産前も「お尻の穴とは違う穴から出てくるんだよ」と伝えておきました。立ち会ったことで(もちろん娘は私の頭の方にいて、実際出てくるところは見ていません)、実感が湧いたようです。〔Yさん、子ども11歳、5歳〕
■「赤ちゃんはどうやってできるの?」にはどう答えた?
下の子が生まれたり、妊婦さんを見たりすると、「赤ちゃんはどうしたらできるんだろう…」と疑問を持つ子も出てきます。そんなちょっと難しい疑問に、親はどう答えているのでしょうか。
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▽いきなり聞かれてビックリ…
小2の娘に、「赤ちゃんってどうやってできるの」といきなり聞かれビックリ。友達同士でそういう話題になったそうですが、今の子は早すぎる…そのときはどう答えていいか分からず、「今日はもう遅いし、明日ちゃんと話すよ」とはぐらかしてしまいました。主人に相談すると、「そういうのは「いやらしいこと」と思わせないように、そしてごまかさないように伝えないとなぁ」と。2人で相談したりサイトで調べたりして、翌日「お父さんが命の源をお母さんに送り込んで、ママがゆっくりお腹で育てて、10カ月経ったらトンネルから出てくるんだよ」というようなことを伝えました。「ふーん」と納得してくれましたが、また聞かれたら、もう少しきちんと話そうと思っています。〔Uさん、子ども7歳〕
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▽私が妊娠したことを疑問に思った
私が妊娠8か月のとき、当時小1だった娘が「なんで膨らむの?どうやってお腹に赤ちゃんができるの?」と聞いてきました。もうコウノトリなんてごまかしも効くはずがなく…。そのときは「上手に説明できるまで、少し待っててね」と伝え、どう教えたらいいか悩んでいました。次の妊婦検診で病院に行ったとき、たまたま子ども向けの性教育的なパンフレットを見つけて。かわいいイラストで、男性の精子と卵子の出会いから詳しく図解してあったので、それを見せて説明しました。お腹ではなく、膣から生まれることにちょっとビックリしたようですが…。〔Tさん、子ども10歳、3歳〕
■「赤ちゃんができる、女性の身体のメカニズム」はこう教えた!
どうすれば赤ちゃんができるのか、うっすら理解した子どもに対して、もう少し詳しい「女性の身体のメカニズム」をどのように教えたらいいのものか…ママたちの伝え方を聞いてみました。
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▽YouTubeの子ども向け動画を親子で一緒に
先輩ママから「4年生になると性についての授業があるよ」と聞いて、それより前に少しだけ親から伝えたほうがいいかな、と思いました。でも、なにをオブラートに包んで、なにをしっかり言えばいいのか分からず…。ある生理用品メーカーが作った小学生向けの「性教育動画サイト」を見つけ、小3の長女と一緒に見ました。生理について、赤ちゃんを産むための身体の準備など、ちょっと突っ込んだ話を優しく分かりやすく、かつリアルすぎない内容で、とてもよかったです。「そうか、こういう教え方をすればいいんだ」と私も勉強になりました。次女がもう少し大きくなったとき、自分で伝えられたらいいな、と思っています。〔Sさん、子ども8歳、5歳〕
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▽ママが生理のとき一緒にトイレへ
小2の娘が、「友達が生理って大変だよって言ってた。生理って何?」と言ってきました。恐らく友達のお姉さんが言ったんだろうと思いますが、何が大変なんだろう…どう説明しよう…と悩みました。ちょうど私が生理だったので、「ちょっとおいで」と一緒にトイレへ。「ビックリしちゃうかもしれないけど、こういうことだよ。大丈夫、大変じゃないよ」と見せて伝えました。その後、「女の人のお腹の中の子宮というところで要らなくなったものが出てくるのが生理なの。赤ちゃんを産むための身体づくりでもあるんだよ」と説明しました。3年生になったら、もう少しきちんと伝えようと思っています。〔Eさん、子ども8歳〕
■男の子への性教育はどんな感じ?
女の子の方が性に対する関心を持つのが早いといわれていますが、男の子だってもちろん疑問、関心を持ちます。男の子への性教育、ママとしてはちょっと気恥ずかしいかもしれませんが、どうしているのでしょうか。
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▽パパに任せました
小3の息子が「あのさ、男のちんちんが子ども作るの?」と言い出し…「いきなりなに言ってんだ!」と焦りましたね。どうやら、大きいお兄ちゃんがいる友達がそんなことを言ったようです。周りから変なことを聞くより、親がちゃんと説明しなければと思いましたが、息子とそういう話をするのがなんか気恥ずかしくて。主人に相談すると、「俺から伝えるよ」と言ってくれたので任せました。
図書館で、けっこうリアルな絵本を借りてきて説明したようです。子どもはショックを受けるんじゃないか!?と思いましたが、神妙に聞いて、理解していたようです。主人は「親が恥ずかしがらずに淡々と伝えるのがコツ!」とドヤ顔で言っていました(苦笑)。〔Iさん、子ども9歳〕
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▽図鑑でじっくり説明!
何かを調べたり、図鑑を見るのが好きな長男。あるとき、「人の身体図鑑」を借りてきて、なにやら「性」のページをガン見していました。その当時小3でしたが、「マジか、赤ちゃんってこっから出てくんのか…」と少しショックを受けていました。まさかいきなり図鑑から知るとは。もう見てしまったものは仕方がない(苦笑)。すかさず隣に駆け寄り、「ここ(産道)は赤ちゃんが外に出る道だね」「パパからもらった命の素を、ここ(子宮)でゆっくり育てるんだよ」など、柔らかく伝えました。さすが図鑑好き、最後の方は「へー、すごい仕組みだねえ」と感心していました。〔Kさん、子ども12歳、7歳〕
■なかなか理解が難しい子どもへはじっくりと何度も
発達障害や知的障害がある子どもは、「性」を理解できないまま妊娠に至ってしまうという場合もあります。理解がなかなか難しい子どもたちへ、親はなにをどのように教えているのでしょうか。
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▽人と話すとき、座るときは距離を置く
小学校6年生の知的障害の息子がいます。まだ性について興味を持ってはいませんし、今説明しても理解できないと思います。でも、いつそういう気持ちが沸き起こるか分からないので、とにかく「友達、特に女の子とお話したり、近くに座るときは、少し距離を置いて(少なくとも肘くらいの幅)、手はお膝に置こうね」と事あるごとに教えています。距離を置くことを伝えておけば、すぐにそういう行為に至らないし、「手を膝に置けば落ち着く」という自己抑制にも繋がっていくのではないかと思っています。とはいえ、今後も何をどう教えていくべきか模索中です。〔Oさん、子ども12歳〕
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▽しっかりリアルに教えた
人との距離感が近く、コミュニケーションの取り方が難しい小5の娘。特別支援学級に通っていますが、男の子と手をつないだり、嬉しいことがあると抱きついてしまうこともあります。知らずにもっとエスカレートしてしまうといけないと思い、「発達に遅れのある子ども向けの性教育」という本を購入し、男女のからだ、出産、セックス、性暴力について、イラストを一緒に見ながらゆっくり、割とリアルに説明しました。分からなそうなところは、何度も分かりやすい言葉で伝えました。まだ人との距離感が難しいですが、「こういうことをすると、こうなる」という理解はできたようです。理解がなかなか定着しないので、これからも何度も伝えていくつもりです。〔Fさん、子ども11歳〕
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2~3歳頃になると、子どもは「なんで男の子だけおちんちんがあるの」「なんでママにおっぱいがあるの」など、男性と女性の身体の違いに気がついて、興味を持ち始めます。そして、「どうしてママだけ子どもを産むのか」「赤ちゃんはどこからやってくるのか」という疑問につながっていきます。だんだん真剣になっていく子どもの疑問に対し、答え方、伝え方のハードルも上がっていく。それに、わが子と性の話を改まってするのって、なんとなく気恥ずかしいですよね。でも、身体の仕組みや男女の違いを知ることはとても大切なことです。
本やサイトなどに頼ってもいいので、ごまかさずはぐらかさず、真摯に答えてあげたいですね。
(まいどなニュース/BRAVA編集部)