東京・目黒のタワマン強盗 未発見の200万円に着目…小川泰平氏「被害女性の情報知る主犯格の存在」を指摘

 東京都目黒区のタワーマンション一室に宅配業者を装って侵入し、現金約600万円を奪ったとして、10代の少年3人が27日に警視庁目黒署に強盗容疑などで逮捕されたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は当サイトの取材に対し、被害女性のことを知る者が主犯格である可能性を指摘した。その上で、防犯対策を解説した。

 逮捕されたのは、いずれも自称、千葉県成田市の飲食店従業員(19)、千葉県印西市の塗装工(17)、千葉市の高校生(19)。26日午前10時半ごろ、宅配業者を装って目黒区内のマンションの一室を訪ね、応対した30代女性を「お金を出せば帰る。俺は人を刺したことがある」などと脅し、クローゼット内にあった封筒や金庫に入っていた計約600万円を奪った疑い。

 3人は車で逃走したが、約5時間後、神奈川県内で身柄を確保された。目黒署によると、3人は大筋で容疑を認めており、被害女性と面識はなかったという。

 この女性はセクシー女優の里美ゆりあさんで、27日、インスタグラムのストーリー機能で「昨日強盗に遭いました」と投稿した。里美さんはこの日のTBSのニュースで、今回の強盗事件の被害者としてインタビューに応じている。里美さんはTBSの取材に対し、押し入った男たちは「何も入ってない段ボールを持っていた。荷物に目を奪われている間にさささっと。ギャーッと叫んだんですけど、ドドドっと入ってきて。力尽くで入ってきた」と証言している。

 小川氏は「間違いなく、室内に現金があると知っての犯行」とした上で、奪われた約600万円のうち、約400万円は逃走車から見つかったが、残り200万円が見つかっていないことに着目。「200万円が見つかっていないということは、明らかに共犯者が逮捕された3人以外にいるということが考えられる。それも主犯格ではないか。例えば、この女性に顔を見られると、誰か知られている者ではないか」と、実行犯の少年3人を指示していた可能性を指摘した。

 その根拠として、小川氏は「被害者と仕事上で知り合った者か、直接関わりがなくとも、被害者のことを知り得る者。タワーマンションは都内のあらゆる場所にあって、高額でお金持ちが住んでいるということは想像できるとはいえ、今回は、明らかに、この部屋をピンポイントで狙っている。この部屋に被害女性が住んでいて、かつ室内に高額の現金があると知っていた可能性が強いです」とターゲットの個人情報を知っていた者が主犯として存在することを推測した。

 小川氏は防犯対策として「自宅に高額の現金を置いていなくても、手足を縛られてキャッシュカードやクレジットカードの暗証番号を聞き出してカードを奪う強盗事件も発生している。簡単にドアを開けないことです。また、公的機関を装った電話アンケートやアポ電対策としては録音機能のある電話にしてください。さらに、ファミリーレストラン、居酒屋、喫茶店などで交わされる何気ない会話を盗み聞きして情報を引き出されるケースもある。『最近、投資で儲かった』『この銀行の投資ファンドはすごく利率がいい』などと、お金に関する話はあまり外では言わない方がいいと思います」と解説した。

 さらに、同氏は「銀行や郵便局でお金を引き出した人を尾行しての"ひったくり"は『途中狙い』という手口であり、お金はたすき掛けにしたカバンに入れてください。また、銀行や証券会社に投資している人が送られてきた運用成績等の書類を捨てるとき、シュレッダーにかけないで捨てるとゴミ袋から情報収集される。手で破っても一部から読み取れられる。SNSで高価なものなどが写った写真を位置情報を消さないでインスタグラムなどに上げてしまうのも気を付けてください」と呼びかけた。

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