コロナ禍、困っているペットを助けたいと迎えた2匹目の猫は、先住猫にべったりの甘えん坊
東京都に住むNさんは、コタローくんという保護猫を飼っていた。子猫の時から育てたが、無事3歳になった。コロナ禍、困っているペットがいたら助けたい、何かできることはないかと考えたNさんは、もう1匹猫を迎えようと思い立った。
■困っている猫を助けたい
Nさんは、実家で犬を飼っていて、猫とは全く縁がなかった。軽症ではあるがアレルギーもあり、なんとなく猫は苦手だった。友人が知人の家の物置で生まれた野良猫の子猫を保護したのをきっかけに、5匹のうち1匹の里親になった。単身で、仕事をしながら子猫のコタローくんを飼い始めたので、帰宅後、嘔吐のあとがあっても、いつ嘔吐したのか分からず、獣医師にも説明できなかった。それでも、コタローくんを育て、9月13日でコタローくんを迎えてから丸3年経った。
同じ頃、母猫の育児放棄や捨て猫の話、コロナ禍でペットを飼い始めたはいいけど、手放す人が多いことなどをニュースやSNSで見かけるようになり、何か自分にできることはないかと。以前から譲渡サイトを見ることはあったが、頻繁にチェックするようになったという。
東京都で活動する保護団体・PETSでは、保護依頼を受けて3匹の子猫を保護して、譲渡サイトOMUSUBIに掲載した。6月、3匹のうちの1匹、シフォンくんを見てひとめぼれしたNさんは、パートナーと一緒にシフォンくんに会いに行った。
■警戒心むき出しの子猫
PETSに行くと、シフォンくんはとてもおびえていて、手も触れさせてくれないし、抱っこもできなかった。それでも、Nさんはトライアルをしてみることにした。
名前は、初めて会いに行った帰り道、雷が鳴って急に雨が降りだしたので、シフォンくんからライくんに変えた。
ケージを準備し、先住猫コタローくんと、できるだけ接触しないようにした。
ライくんは、ケージの上段の端っこに隠れて姿を見せなかった。ただ、シャーシャーいう声だけは聞こえていた。翌日から猫風邪と結膜炎を発症。警戒心が強くなってしまい、目薬や薬の服用に時間がかかり苦労したという。
1日に数時間、食後にケージから出して遊ぶと、あっという間になれて膝に乗ってくるようになり、警戒心が解けた。
一方、鳴き声や匂いが気になって仕方ないコタローくんは、ケージをのぞき込むようになった。2週間目に初めて対面すると、鼻挨拶をした。Nさんはホッとした。
■優しいお兄さん猫
7月、ライくんを正式譲渡してもらったが、コタローくんは、ライくんが来たストレスのため、好きなおもちゃで遊ばなくなり、Nさんにも甘えなくなった。一方、ライくんは遊びたい盛り。鼻挨拶が済むと、すかさず猫プロレスを仕掛けるなど、大喜びの大はしゃぎだった。コタローくんは、最初はライくんの手が届かないところにいて戸惑いながら様子を見ていたが、それでも近寄ってくるライくんに少しずつ心を開き、9月になる頃にはグルーミングもしてあげた。猫プロレスも手加減してあげて、ライくんを優しく受け入れた。
ライくんはコタローくんのことが大好きで、どこに行くにもついて行く。気が付くと2匹で寄り添い寝ているそうだ。
Nさんは、2匹が仲良くなるには、もっと時間がかかるのではないかと心配していた。コタローくんの優しさに、飼い主が助けられたと思っている。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)