本当は「Trick XOR Treat」が正しい? 高校教諭が作った図解「ハロウィンでわかる論理演算」で判明した事実

みなさん、数学の教科書で勉強した「ベン図」って覚えていますか?…丸などを使って集合の関係性を視覚的に表現することができるおなじみの図のことですよ。ハロウィンのカボチャとベン図が似ていることに気がついてしまった高校の先生が、とんでもないツイートをしてネットで話題になっています。ずばり…「#ハロウィンでわかる論理演算」! 図解してみることで、ハロウィンでよく聞くフレーズ「Trick or Treat(トリック・オア・トリート」の“真実”まで暴いてしまったみたいです!?

投稿したのは、SNSを通じて理科の面白さについて幅広く発信している、岐阜県立可児高校の化学教諭・宮元一賢さん。ハロウィンのカボチャを、丸2つ重ねたベン図に見立て、代表的な論理演算を説明する図解を10月24日にアップしたところ、30日までに8万件以上の「いいね」が寄せられています。

ちなみに論理演算は、プログラミングやデータ分析を行う際によく使われます。複数の集合を扱うときに用いられ、代表的なNOT(否定)、OR(論理和)、AND(論理積)などは見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。ちなみにANDをベン図で表現すると、こんな感じ…。そんな様子にネットには「可愛い」「分かりやすすぎる」「教科書に掲載してほしい」といった声が続々と寄せられています。

ちなみに、こういった図解を作って明らかになったのが、ハロウィンの代表的なフレーズ「Trick or Treat」の論理演算的な意味です。普通の英訳では「いたずらか お菓子か」という意味になりますが、ORが「論理和」であることを考えると…「Trick OR Treat」は「お菓子 または いたずら」を表すことに。ベン図にしてみると…「お菓子」と「いたずら」に交わる部分が発生していることが明らかですね。…これでは仮装した子どもたちにお菓子をあげても、いたずらをされてしまう恐れがありそうです…!

つまり、「いたずらか お菓子か」を論理演算的に正しく表現するためには、ORを使わずXOR(排他的論理和)としなければならないことが分かります。仮装した子どもたちは「Trick XOR Treat」と叫ぶのが正しい…という事実に、多くの人たちが衝撃を受けているといいます。

投稿した宮元さんに聞きました。

-すごい図解ですね。

カボチャに当てはめたのは,トリックオアトリートの「OR」は論理的にどうなのかな…と考えていた時に、ベン図の形がカボチャに見えたためです。16種類の論理演算から、代表的な6つを選んでまとめました。

-ボツになった図解もあとで紹介されていますが、それらも面白いです。ちなみにカボチャに描かれた味のある「怖い顔」は宮元さんご自身で描かれたのでしょうか。

イラストを描くのは好きなので私が書きました。目の位置がおかしかったりなどいろいろありますが、あくまでもジョークなので少し愛嬌があるようにしてみました。

-多くの方がご覧になられています。

正直こんなに反響があるとは思いませんでした。数学や電子回路、情報理論といった観点から関心を持ってくださる方や、イラストのキャラクター性などで面白がってくださった方も多く,いくつかの層に響いたようです。あと、あまり文字を使わなかったこともあり,外国の方の反応もすごくたくさんいただいています。

-確かに…コメント欄、英語のコメントだらけです!

   ◇   ◇

高校で学ぶ化学について解説するコンテンツを公開する一方で、理科的な話題を幅広く発信されている宮元さん。授業のブレイクタイムに配布した「理科通信」を公開したり、大学入試などの過去問などを参考に、気になる分子の模型を「#今日の分子」というハッシュタグをつけて投稿したりして注目を集めています。関心のある方はぜひチェックしてみてくださいね!

(まいどなニュース・川上 隆宏)

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