レストランの倉庫にいた子猫たち、見守ってきたけどオーナーに見つかって…一番臆病な子をうちの子に
千葉県のレストランで働く北原さんは、レストランの倉庫下で生まれた子猫たちの様子を見るのを楽しみにしていた。いつしかごはんをあげるようになり、情がわいてきた。やがて、猫たちの存在をレストランのオーナーが知ることになった。
■レストランの倉庫下で生まれた子猫たち
2012年3月、千葉県にあるレストランの裏にあるプレハブ倉庫の下で野良猫が6匹の子猫を産んだ。子猫たちは、人気がなくなる朝や夜になると外に出てきてじゃれあっていた。レストランの従業員の北原さんは、親子の様子を見るのが楽しくて、毎日見に行くのが日課になっていた。ただ、北原さんの姿に気が付くと、猫たちは隠れてしまった。
ごはんをあげると、6匹のうち好奇心旺盛な3匹の子猫は、すぐに近寄ってきて触ることもできたが、一番臆病な子猫は母猫のそばに隠れて、母猫が食べると自分も食べ始めた。
9月になると、レストランのオーナーが猫に気づき、衛生上問題なので保健所に通報して駆除すると言い出した。飲食業なので無理からぬことだった。北原さんと一緒に猫の世話をしていた従業員の女性が、「順番に猫を捕獲し、里親を募集しよう」と言った。
■ 見守るうちに愛着がわいて
一度に捕まえることはできなかったので、1匹ずつごはんを使って捕獲、里親希望者に譲渡した。一番憶病だった女の子の猫が最後に1匹残った。北原さんは猫が好きだったが、当時ペット不可の部屋に住んでいた。
「でも、子猫の時から半年ほど成長を見守ってきて、ごはんもあげていたので情がうつっていました。ぎりぎりまで我慢しましたが、家に連れ帰ったのです。なんとかなると思いました」
子猫を家に連れてくると、緊張したのか落ち着きなく、ずっと鳴いていた。ミュ、ミュと鳴くので「みゅうちゃん」という名前にした。
■ みゅうちゃん、怒り心頭
ずっと一人と1匹で暮らしてきたので、みゅうちゃんは甘えん坊になった。一度、北原さんが4泊5日留守にして帰ってくると、みゅうちゃんはすごく怒っていた。
「ちゃんとごはんや水、トイレを数カ所に置いて行ったのですが、目が合うと背中を丸めてニャー!と鳴きました。まるで『お前、どこに行ってたんだよ!』とでも言うようでした。あの声は今でも忘れられません」
Kさんは、実際に猫と暮らしてみて、ちょっと粗相をしたなどということで怒るということのないよう、猫の習性をよく理解することが大事だと思うようになった。自分の思い通りにならないことがあっても、立ち止まって考えるようにしているという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)