先代猫を亡くしてペットロスに…譲渡会で美しい三毛猫に出会い、新しい一歩を踏み出す

2015年に21年間近く一緒に暮らした愛猫マックくんを亡くしてから、なかなか次の猫を迎えられずにいた福本さん。飼うなら三毛猫がいいなとなんとなく思っていたが、1年半後、思いがけず三毛猫と譲渡会で出会った。生後5カ月だったので、子猫というには大きくなっていたが、ひと目見ただけで虜になった。

■なかなか先代猫を忘れられず

2016年8月3日、アニメ映画「となりのトトロ」に登場する七国山のモデルになった東京都の八国山緑地で3匹の子猫が保護された。個人で保護活動をしている人が、職場の近くでサビの母猫が3匹の子猫と一緒にいるのを発見。捕獲機をしかけると食欲旺盛な子猫たちはすぐに捕獲できたという。生後2、3カ月だった。母猫は手ごわく、なかなか捕獲機に入らなかったので、翌年4月に保護してTNRをした。

東京都に住む福本さんは、2015年6月、愛猫マックくんを亡くした。なかなか次の猫を迎える気持ちになれなかったが、家の裏口に何日か迷い猫が来たり、寒い日に庭に子猫が来たりしたので箱や毛布を用意した。毎回悩んで、明日は保護しようと思うと翌日から来なくなった。

「それでも次の子を迎えようという気にはなれなかったのですが、猫の保護団体『ねこけん』のお手伝いをしている知人から譲渡会があると聞いたのです。マックが亡くなって1年半くらい後のことでした」

福本さんは、会場にいた猫たちを全部見て回ったが、どうしても最初に見た三毛猫が気になった。妻が「せっかく貰うならやはり子猫から育てたい」と言っていたので、「少し大きくなっているけど、さっきの三毛ちゃんどう?」と聞いてみた。妻も同じ気持ちだったようで深くうなずいた。

■新たな猫との暮らし

その場で三毛猫の里親になることを希望したが、他にも希望者がいるかもしれないので、しばらく返事を待つことになった。

保護主からの連絡を待つこと5日間。ついに電話がかかってきて、「あの・・この度は・・・みくちゃん・・・福本さんに・・・お願いする事にしました」と言われた。福本さんは、保護主のまどろっこしい口調にドキドキして、もう駄目かと思ったが、「ありがとうございます!大切に育てます」と言った。ついにマックくんロスが立ち直る時がきた。

2016年12月上旬、三毛猫は1週間のトライアル期間を経て、正式譲渡された。

生後5カ月くらいの女の子。名前は、仮名が「みく」だったことから先代猫マックくんの名前と絡ませ、雑種で柄も三毛(ミックス)なのでミックちゃんにした。

■ミックちゃんに会いたくて人が集まる家

トライアル2日目まではシャーシャー言いっぱなしで全くなつかず、福本さんは心配したが、3日目から徐々に触らせてくれるようになり、5日目でとうとう抱っこできた。ツンデレだが、ミックちゃんにべた惚れの福本さんの夫によると、「この子は人なつっこいようで、日に日に甘えん坊になっている」という。

ミックちゃんの誕生日は推定6月なのだが、マックくんの命日が6月27日で、マックの生まれ変わりのようなものなので、ミックちゃんの誕生日は6月27日にした。

外を見るのは好きだが、外がとても怖いらしく、窓が開いていても外に出ようとしない。予防接種などで動物病院に連れて行くと、外出が怖くて過呼吸になってしまう。

福本さんは、マックくんの時もそうだったが、猫と暮らして毎日がとても新鮮だという。子どもがいないので、両親も孫のように可愛がり、猫に会いたくて人が集まるそうだ。

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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