見て!走れるようになったよ! トイプードルのLyn、小型犬に多い疾患・パテラを克服…9カ月に及ぶ専門治療

兵庫県芦屋市に暮らすトイプードル、Lyn(りん)は4歳の女の子。インスタグラムで見せる愛くるしい姿に8500人以上のフォロワーがつき、複数の企業のアンバサダーを務めています。取材中も、ダイニングチェアに座る記者の膝に両足を掛け、くわえていたゴムボールを乗せて見つめてきます。軽く投げるとダッシュで追いかけ、くわえて戻ってきては「一緒に遊ぼうよ!」。あんまりおてんばなので、飼い主も思わず男の子のように「りんたろう」と呼んでしまうといいます。

こんなに元気いっぱいなLynですが、1年前まではまともに歩くこともできない状態でした。原因は、膝にあるお皿の骨(膝蓋骨)が脱臼する「パテラ」という疾患。小型犬に多く、ひどくなると骨の変形や関節炎を起こしてしまうこともあります。

Lynもときどき関節が外れたようなしぐさをしていたため、気になった飼い主の女性が昨年春に動物病院へ連れていきました。「当初は深刻にとらえていなかった」という女性。しかし手術後に自宅で骨が欠ける怪我をし、次に紹介された大きな病院では6度の手術を繰り返しながらもギプスが取れず、今度は人工靱帯を入れることを勧められたといいます。

不安が募って飼い主仲間に相談したところ、大阪・門真に専門的な整形外科を設置したファーブル動物医療センターがあることを知りました。わらをもつかむ思いで扉をたたいた女性とLyn。綿密な検査の後、昨年5月に院長による手術を受けました。退院後もリハビリを続け、12月に完治。以前通り、跳んだりはねたりできるようになりました。

体重2kgのLynの骨は割り箸ほどの細さ。治療には小型犬ならではの難しさが伴い、専門性が問われるといいます。通院中、同じようにパテラで歩けなくなった犬を見てきた女性は「小型犬は可愛らしくて人気だけれど、飼う前に特有の疾患についてもきちんと知ってほしい」と訴えます。

また、計9カ月に及んだ治療期間中、インスタグラムを通じてさまざまなエールに励まされたといいます。応援のメッセージやお守り、さらに振り袖風の手作りコスチュームまで。「Lynが頑張る姿に力をもらった」という声もあり、女性は「元気を取り戻したLynと一緒に、多くの人へ笑顔を届けたい」と話しています。

■Lynのインスタグラムアカウント→ @ladyladylyn

(まいどなニュース/神戸新聞・神谷 千晶)

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