米国サンタ養成校、オンライン需要増に備え「歯のホワイトニング」を指導 画面映え重視
クリスマスまであと1か月あまり。例年ならば、米国ではまもなくショッピングモール、デパート、街のイベントにサンタクロースがやってきて、子どもたちと写真撮影をしたり、プレゼントを渡したりしている時期を迎える。
しかし、今年は新型コロナウイルスの感染が拡大しており、リアルイベントにはさまざまな制限がつきまとう。他のビジネスやイベントと同様に、サンタクロースもオンライン化して、PCやタブレットの画面を通じて、子どもたちとふれあうことが増えそうだ。
米国にはいくつかのサンタクロース養成所がある。
サンタクロースの学校では、子どもたちに夢を与えるためにさまざまなことを学ぶ。まず、身だしなみ。サンタクロースの衣装の着こなし、白く長いひげのつけかた、メイクアップ、それに加えて清潔感が求められる。トナカイの扱い、そりの手綱さばき、おもちゃの使い方。子どもたちにどのような言葉をかければよいのかなどを児童心理の面からも学習するという。
サンタクロースは、パーティービジネス、エンターティメントビジネスでもあり、子どもたちを喜ばせ、保護者らの大人たちから信頼されなければいけない。信頼と喜びを与えることで「来年もまた、あのサンタクロースに来てもらいたい」というリピーターが生まれるからだ。
今年は、一部のサンタクロース養成所がオンラインで授業を行った。画面を通じて、子どもたちを喜ばせるにはどのようにすればいいのかなどもレクチャーに加わった。顔がアップになることもあるからか、口元を清潔に、歯はホワイトニングの歯磨き粉を使うなどもアドバイスもあった。
コロラド州でサンタクロース養成所を開いているスーザン・メスコさんは4月からオンラインサンタクロースの準備を開始したという。10月23日のデンバーチャンネルが伝えている。リアルとオンラインでのサンタクロース養成講習に加え、映像や絵本の読み聞かせなどのコンテンツの制作、ひとりひとりの子どもに対応する内容などを練った。デンバーチャンネルによると、サンタクロースのひとりは7月に新型コロナウイルスに感染しており、「自分を守るためにも、子どもを守るためにもよい」とオンラインの仕事を歓迎していた。
バーチャルサンタクロースを提供する「ジングルリング」では、オンラインの長所を生かし、いつでも、どこでも、グローバルな対応を謳っている。米陸空軍生活品販売業務(AAFES)と提携し、150の国と地域にいる米軍の家族や地域にサービスを提供する。また、多言語による交流もできて子どもの言語にあわせたサンタクロース、手話によるサンタクロースとマッチアップすることもできる。
米国ではバーチャルサンタクロース、オンラインサンタクロースのビジネスも競争が激しく、他にないサービスをアピールしようと懸命だ。
(まいどなニュース特約・谷口 輝世子)