献血呼び掛け「またO型?」「なぜO型ばかり」 日本赤十字社血液センター「実はこんな事情が」

 突然ですが、あなたの血液型は何型ですか? 日本赤十字社によると、血液型は大きくA型、O型、B型、AB型に分けられます。日本人のおおよその割合は、A型40%、O型30%、B型20%、AB型10%だそうです。このO型に今、熱い視線が注がれています。

■日本赤十字が頻繁にツイート

 「O型の皆様、関東甲信越では現在、O型の血液使用量が昨年を大幅に上回り、血液在庫がひっ迫しています」「医療機関でのO型の赤血球製剤の使用量が大変増加しています」「まだ献血していないO型の方は、ぜひ献血にご協力お願いします」

 これらは日本赤十字社関東甲信越ブロック血液センター(東京都江東区)のツイッター投稿ですが、なぜかO型への呼び掛けが目立ちます。同センターは「実はこんな事情があります」とマンガで明かしました。

■「O型万能」は本当?

 マンガのタイトルは「O型の方に知ってもらいたいこと」。O型に呼び掛ける理由はずばり、「緊急時の輸血ではO型が他の血液型にも輸血できるから」。同センターに話を聞きました。

 ーー緊急時、O型の血液はどの血液型にも輸血可能というのは本当ですか?

 「本当です。ただし、全血献血(400mL献血)から得られる赤血球製剤のことを指しています。輸血は、患者さんが副作用を起こさないように同じ血液型で行いますが、緊急時に血液型を調べている時間がない時などは、O型の赤血球製剤を輸血することがあります」

 この事実をマンガで初めて知った人たちは「都市伝説ではなく本当だった」「O型って万能なんですね」「O型最強」「こういうのは広めたい」と反応します。

 「一般の皆様には広く知られていないと思いますが、マンガに示した理由のとおり、O型の赤血球製剤は、他の血液型と比較して、在庫保有率が低くなる傾向があります。その理由を分かりやすく皆様にお伝えしたいと思い、身近なマンガにして投稿しました」(担当者)

■平日の協力、ありがたい

 ーーコロナ禍で献血の協力者数は。

 「緊急事態宣言下の4月は外出自粛や企業や学校等での集団献血中止が重なって、献血ルームと献血バス双方で400mL献血者が大幅に減少しました」

 「コロナ禍においても、輸血を必要としている患者さんは毎日3000人ほどいらっしゃいます。輸血用血液製剤は今もなお、人工的に造ることが出来ず、保存期間も決まっているため、日々の変わらぬ皆様のご協力が必要となっています」

 献血ルームでの協力者は徐々に回復しているものの、献血バスは現在も中止が相次いだままといいます。

 「首都圏を中心に月間200から300会場、企業や学校等での集団献血の中止が相次でいることから、必要人数に対してご協力者数が大幅に下回る状況が続いております。この厳しい状況は継続するものと考えております」

 同センターでは平日に団体献血のできる企業や学校も募集しています。

 「師走も近づきご多忙かと存じますが、仕事や学校の合間を縫って、ほんの少し献血にお時間を割いていただけますとありがたいです。特に献血者が少ない平日に400mL献血にご協力いただけると助かります。新型コロナウイルスの感染予防対策を取って受付しております。ご予約の上、みなさまのお越しをお待ちしております」

■献血後の血液は…

 献血後の血液はどのように使われるのでしょうか。日本赤十字社によると、献血会場から各地の血液センターに運ばれ、検査などの後、血液製剤になります。その多くは、悪性新生物(がん)患者の治療に使用されるそうです。

(まいどなニュース・金井 かおる)

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