ある家族の大みそか「こたつ」真上から定点観測 絵本の内容に「あるある、そうなりがち」

 児童書出版社の福音館書店(東京都文京区)は15日、新刊絵本「こたつ」を発売しました。作者は神奈川県藤沢市在住の麻生知子さん。

 主人公のこうたくんの家は、おばあちゃん、お母さん、お父さん、ネコのクロの5人家族。こうたくん家の大みそかの朝から年越しの瞬間、おせちや年賀状が並ぶお正月の食卓までを、居間のこたつの真上から定点観測します。小学生のこうたくんは、年越しまで起きていると宣言。しかし、日中は宿題に、恐竜ごっこに、お手伝いにと大忙し。除夜の鐘の瞬間まで起きていられるのでしょうかーー。

 大みそかのお昼ごはんのメニューに「あるある、そうなりがち!」と共感したり、おばあちゃんの眼鏡さがしを手伝ってあげたくなったり。読んでいるうちに、こうたくん一家の一員のような気持ちになってしまうから不思議です。テーブルの上にはみんなが知ってるオレンジジュースや鎌倉名物のサブレ、ファンの多い個包装のお菓子に“そっくり”のあれこれも登場。各ページに散りばめられた小物たちを発見するのも宝探しのようです。

 SNS上には「こたつがほしくなる」「あのお菓子も出てくる」「ほっこりする」と感想が並びます。

 同社編集部は「今年は新型コロナウイルスの流行により『大人数が集まってにぎやかにすごす』という、これまでは当たり前のように享受していた喜びを味わうことが難しい年となってしまいました。絵本の中では、みなで喜びをわかちあううれしさを味わってもらえたらと願っております」とコメントしました。

 日本傑作絵本シリーズ「こたつ」。麻生知子作、福音館書店、1300円(税抜き)。32ページ。5、6歳から。

(まいどなニュース・金井 かおる)

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