猫の飼い主がコロナに感染したら…川上麻衣子が陽性隔離体験を踏まえて12月にオンライン発信
飼い主が新型コロナウイルスに感染したら…。一般社団法人「ねこと今日 neko-to-kyo」の理事長を務める女優・川上麻衣子が自身も陽性となって隔離生活を余儀なくされた経験を踏まえ、12月5、6日に「キャットアカデミー」と題したオンライン講座で「コロナ禍における飼い主の準備」などを伝える。活動再開に向け、自宅で2匹の愛猫と過ごす川上に思いを聞いた。
川上はドラマ撮影のため滞在中だった大阪で11月6日に38度を超える発熱。翌日、知人の陽性反応が東京で確認されたため濃厚接触者に該当し、PCR検査を受けた結果、11日に保健所から陽性の連絡があったという。大阪のホテルで10日間に及ぶ隔離生活を経て都内の自宅に戻り、愛猫のココロ(4歳、メス)とタック(3歳、オス)と暮らす日常に戻った。
今回のコロナ感染を通して、飼い主として「事前の準備」の必要性を実感したという。
川上は当サイトの取材に「コロナに感染してしまうと、家族全員が濃厚接触者となります。一人暮らしであろうが、家族がいようが条件は一緒です。ネットで検索すると、サポートセンターなどもありますが、まずコロナに感染がわかった時点で、自分のことで手一杯になってしまいます。コロナ感染からすぐに体調が悪くなれば即入院ですので、面識のない人にペットを任せるのは不安です。日頃から、信頼できる友人と事前打ち合わせや、合鍵を共有するなどの対策が必要だと思いました」と実感を込めた。
川上は14日に「飼い主がコロナにかかった時の対策」についての文章をFacebookに投稿。4日ほどで大阪から帰宅予定だったため、「猫好きの友人に餌とトイレの掃除を頼む程度」だったが、陽性判定によってウイルスが残っている可能性のある都内の自宅に友人が入れず、代わって猫の譲渡会を行う知人のボランティア団体代表が防護服を着て部屋の除菌や猫の世話をしてくれたという。
そうした経験を経て、川上は「まずは信頼できる友人知人に、可能であれば合鍵を持っていてもらい、飼い主が搬送された場合にはご飯とトイレの世話をしてもらうことが1番負担が少ない」とつづった。
では、周囲にそういった友人、知人がいない人の場合は?川上は「民間のボランテイアや、東京都などもサポートしてくれるようです。いずれにしてもコロナになってからコンタクトを取るのではなく、事前に、気持ちに余裕のある時に自分の環境に合った手段を探しておくことが大切だと思います」という。
また、感染しても無症状のため自宅待機となった場合、猫(ペット)は外に預けた方がいいのだろうか?川上は「私は、その必要はないと今回実感しています。そばにいた猫を外に連れ出すことで、ウイルスを広げてしまう危険性がある気がします」と指摘した。
隔離期間中の思いや帰宅後の猫の反応について、川上は「大阪滞在中、ライブビデオで2匹の怯えている様子を見て切なかったです。なんとか早く帰りたいと、そればかりを考えていました。でも意外と猫は環境に対応もします。帰宅してすぐは、興奮して甘えていましたが、翌日からは何事もなかったように普通でした」と明かし、「猫の力を信じて、飼い主さんは療養に徹して1日も早く元気になることが猫のためでもあると頑張って欲しいです」と訴えた。
12月のキャットアカデミーで、専門家と共に、川上も講師として「看取り」をメインとした授業を行う予定だったが、今回の体験を通して「飼い主がCOVID-19になってしまったら」と題してコロナ禍における飼い主の在り方についても話す。
「今回アカデミーを立ち上げた思いは『猫の生態から看取りまでを学びながら、猫を想うプロの飼い主を育てたい』というものです。特に看取りを考えた時にも、正しい答えは一つではなく、様々な場面で 飼い主の意志や、死生観が大きく影響します。きちんと自身の考えを持って決断、行動できる飼い主を育てたいと考えています。今回のコロナの件でもそうですが、横のつながりもとても重要です。飼い主たちの経験が何より、参考となります。1期生が2期生3期生に、知識や思いを伝えていけるアカデミーにしていきたいと思っています」
今年のコロナ禍では「師匠」と慕った志村けんさんが3月に亡くなった。共演したフジテレビ系「志村X」や「変なおじさんTV」で、「私の宝物」と振り返る7年間を過ごした恩師の死。そして、8カ月後に自身も感染し、身をもってコロナの恐ろしさに直面した。
川上は「COVID-19という未知のウイルスは、身体を蝕んでしまう怖さだけでなく、人間が抱え込んできた様々な習慣や日常を簡単に壊してしまう恐ろしい存在だと思いました。それだけに人間関係含めて、立ち止まって考えなければいけない警告なんだと改めて感じています」と思いを吐露した。
(まいどなニュース/デイリースポーツ・北村 泰介)