若くしてお別れした愛猫にそっくりな子猫 大人しいと聞いていたが…まさかのヤンチャ猫だった
大阪府に住む加藤さんが初めて保護し、子猫から育てたルピちゃんは7歳という若さで虹の橋を渡ってしまった。もう一度ルピちゃんに似た猫を飼いたいと、新しい家族を探している時に「里親が現れるのを待っている保護猫を1匹でも幸せにできたら」と、譲渡サイト「ペットのおうち」を検索した。
■亡くなった愛猫にそっくりの猫
絶対犬派だった加藤さんは、ルピちゃんを保護して初めて猫を飼い、すっかり猫派に。2016年、そのルピちゃんはわずか7歳で死んでしまい、もう一度同じ種類のキジトラ猫と暮らしたいと思った。そんな時に新しい飼い主を待っている多くの猫がいることを知り、たとえ1匹でも助けることができるならと考え、譲渡サイトでキジトラ猫を探した。
「亡くなったルピに似た猫を探していたら、瓜二つの子猫がいて、とても嬉しく思いました」
子猫は6きょうだいで、生後2週間ぐらいのところを枚方市の活動者が保護した子だった。子猫たちは、保護主の家で人と暮らすことを教わり、生後1ヶ月半くらいで加藤さんのところに来た。
■おっとりした性格だと聞いていたが
加藤さんは、なんとなく可愛い名前だと思い「ココちゃん」と名付けた。ココちゃんは、1カ月半一緒に暮らしたきょうだいたちと離れても、淋しそうな感じではなく、すぐに加藤夫妻に懐いた。先住の黒猫ラムくんは2~3日威嚇していたが、すぐに仲良く遊ぶようになったという。
保護主からは「ココちゃんは、保護された6きょうだいの中でも、一番おっとりしている」と聞いていた。しかし実際は、先住の2匹と比べようがないほどヤンチャで、加藤さんは、日々ハラハラドキドキした。
■やんちゃ坊主と知恵比べ
やんちゃ坊主のココちゃん。ある時は、幅15センチの壁の側面を天井まで駆け上り、爪を立ててクロスをぼろぼろにして降りてきた。またある時は高さ2メートルの裏庭の塀を軽々と乗り越えてしまった。この塀は、脱走防止のため滑って爪が引っかからない素材でできており、先住猫でもあきらめていた代物だった。2階のベランダの手すりの上で寝ていて、1階に落下したこともある。
次から次と問題を起こすので、そのたびに肝が冷えるような思いをした。塀の高さを30センチ高くしたり、ベランダ全体を網で覆って絶対に落ちないようにしたり、ココちゃんとの知恵比べが続いた。
「ココは活発なので、裏庭で少しでも直射日光に当たったり、雨にぬれたり、自然の風に触れたりできるようにして、ストレスが少なくなるように工夫しています」
4才になった今も毎日元気に走り回っているそうだが、最近、少し大人になって落ち着いてきたココちゃん。まだまだヤンチャ坊主で、頻繁に先住猫に喧嘩を仕掛けたり、追いかけ回したりしている。たまに裏庭からヤモリやセミをくわえて入ってきて、加藤さんに自慢気に獲物を見せてくれるのには、驚いてしまう。
自分から近寄ってきてスリスリしてくれるが、抱っこは嫌いで逃げてしまうツンデレっぷり。ただ、人とじゃれて遊んでいても、間違って噛んだり引っかいたりしたことは一度もなく、夫妻にココちゃんの爪痕は1つもない。
譲渡サイトを通じてココちゃんと巡り合った加藤さん夫妻。猫だけはでなく色んな種類の、ものすごくたくさんの動物が飼い主を待っているので、できたら「ペットショップを利用しないで、この子たちの命を救って欲しい」といつも話しているという。
「譲渡サイトを利用したことにより、猫だけでなく保護活動している人との繋がりもできました。特に、4年前、6きょうだいの保護活動者と里親になった4家族とは食事会を開いて近況報告をしたり、お互いのインスタグラムをフォローして、兄弟姉妹の成長を見たりしています」
猫や里親との出会いは、加藤さんの暮らしをより豊かなものにした。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)