コロナ禍の米国トラベル業界の今とは?パンデミック後で初、空の旅で気づいたこと
新型コロナウイルスのパンデミック以来、空の旅は極力避けていましたが、11月中旬にパートナーの撮影と私は絵本の委託販売で書店を訪れるためにミネソタ州のミネアポリスを訪れました。10カ月ぶりに飛行機に乗り、他州へ移動。フライトやホテルなど、肌で感じたアメリカのトラベル業界の今をリポートします。
■空港&フライト
ロサンゼルス国際空港のフードコートは閉鎖していましたが、その代わりに、スマホでQRコードのメニューを読み取り、食べ物を注文すると数分でこのバナーの前まで届けてくれるというサービスがありました。スターバックスやサンドイッチショップは開いていましたが、パンデミック以前よりも待ち時間は長いです。
今回の旅はデルタ航空をチョイス。航空券を予約した10月末に、飛行機の中央席を空けて、座席使用率を75%に制限していたからです。
機内に入ると、まず除菌シートを一つ渡されます。乗客のほとんどがトレイテーブルやアームレストを拭くのに使っていました。機内サービスは感染拡大防止のために変更。小さいペットボトルの水、クッキーなどのスナック、ナプキン、そして使い切りのハンドサニタイザーが入った袋が配られます。
機内アナウンスやビデオで常にマスクの着用が促されてはいますが、特に睡眠中にマスクを外している乗客の姿が見られました。30代の女性は「前に座っていた人がマスクをしていなかった。何か言うと揉め事になりそうだから客室乗務員に注意してもらうように頼んだ」とマスク越しに話してくれました。
中央席は空いていますが、飛行機はほぼ満員。仕事や急用以外、外出自粛のはずですが、家族連れの旅客も少なくありません。狭い機内で約2メートルのソーシャルディスタンスを守ることは、残念ながら難しいようです。
■ホテル
今回の宿泊先は国際的に有名な4つ星ホテルチェーン。到着してまず驚いたのが、スタッフの人数でした。客室数は800室以上のホテルですが、入口付近に待機する係員、フロントデスク、警備員はそれぞれ1人ずつ。ホテル内のバー兼レストランとマーケットもほぼ閉鎖(1日に数時間のみ営業)しており、ガランとした様子でした。
パンデミック前は毎日欠かさずハウスキーパーが客室を清掃してくれましたが、現在はリクエストしないとハウスキーピングはしてもらえません。人との接触をできるだけ避けるため、私たちはハウスキーピングは断ることに。必要なアメニティは、その都度フロントに電話をすると部屋まで持って来てくれます。
これまで何度も同ホテルチェーンに宿泊したことがありますが、こんなにガラガラで静かなのは異様でした。「サウナやスパも使えない。必要な物を電話で頼んでもなかなか持って来てくれない」と、苦情をもらしていた滞在客(40代の男性)もいました。
「Go Toトラベル」の日本も似たり寄ったりでしょうか?常に変化を伴い「今まで」とは異なるトラベル事情。「辛抱」と「下準備」、この二つがコロナ禍の旅のポイントになるとあらためて感じました。
(まいどなニュース特約・今井 悠乃)