あなた締切守ってますか? SNSで神社の「締切守」が反響…「芸道上達守」とセットで相乗効果

 仕事や学業などで期日までに何かをしなければならない時、人はその期限のことを「締切」と呼ぶ。それは日常的かつ、ストレスの一因ともなる「壁」のようなものだ。夢にまで出ることも珍しくない。そんな締切をテーマにしたお守りが埼玉県所沢市の武蔵野坐令和神社で誕生し、SNSで大きな反響を呼んでいる。その名も直球で「締切守」。背景にある運営側の思いや、さらに、もう一つの特筆すべきお守りについて関係者から話を聞いた。

 同神社が公式ツイッター@ReiwaJinjaで11月18日に現物の画像と共に「新しい御守りのご案内」として、「本日より『締切守』の授与をはじめました。物事がつつがなく進行し、期限に間に合いますよう祈念しております。原稿や入稿のお供にいかがでしょうか。言霊の大神の御加護がありますように」と投稿したところ、28日までに約1万4000件のリツイート、約1万8000件の「いいね」があった。

 リプ欄に「大量買い占めは編集部でしょうね」「全国の漫画家や小説家が担当から贈られそうな…」とあるように、「締切」というワードからは出版業界を含むメディア関係の仕事がイメージされるが、納期や提出日に遅れないように作業する行為は業界を限定せず、普遍的なものであるということが、その反響からもうかがえる。

 ツイッターに投稿された画像の「締切守」は薄紫色と水色で、「〆」が3個ずつ3列の計9個が並び、「帯」の部分に英語で「TIME LIMIT」と記されている。リプ欄には「タイムリミットが来る前にやれること全部やってみよう」「心機一転、締め切りにも立ち向かえそうです!」「年末進行にヨシ!」といった前向きなコメントのほか、「買う人の100%が締切やぶってそう」というツッコミから「天才じゃん」といった絶賛まで様々な声が寄せられた。

 武蔵野坐令和神社は、今月オープンした「ところざわサクラタウン」に建立された新しい神社で、公益財団法人「角川文化振興財団」が同所で運営する文化施設の1つ。公式ホームページによると、建築家の隈研吾氏がデザインし、万葉史の研究で知られる国文学者の中西進氏が命名。「クールジャパンの聖地」に創建された祈りの場として機能していく…というビジョンを掲げている。

 「締切守」ができた経緯や、発想のきっかけが気になる。やはり、出版大手のKADOKAWA系列だけに「締切」に着目した発想が生まれたのか?

 同財団を通して担当者にうかがうと「武蔵野坐令和神社はコンテンツを作るクリエイター・アーティストのみならず、それを編集・流通・販売する人々、コンテンツを楽しみ応援するファンの方々、コンテンツにまつわる全て人を応援する神社です」と紹介。その上で、「締切守」とは別の「芸道上達守」というお守りにも言及した。

 「当社で頒布している『芸道上達守』の絵柄を見ていただくとわかるように、 古式ゆかしい歌舞音曲からパソコンのマウスアイコン、ペン、Youtube配信などでも使用するカメラ、プログラミングなどを含めた設計を象徴するデバイダなど多種多様なクリエイターのスキルが上達するよう祈念しています。 また、『AI』という文字にも読めるよう配置を工夫しています」

 「芸道上達守」というお守りの、その黄色の本体には、説明の通りのグッズや「AI」の文字がちりばめられている。 担当者は「『締切守』はコンテンツ業界につきものの『締切』にフォーカスを当てた御守です。自分自身のスキル上達は『芸道上達守』でカバーできるとしまして、『締切守』はさまざまな外的要因=困難によって締切が守れなくならないよう災難除けの意味と、自分自身の弱い心に打ち勝つように、という2つの意味合いをこめて企画いたしました」と明かした。

  なるほど、この2つはセットになることで相乗効果があるようだ。今後は「芸道上達守」にも注目が集まるか?ひとまず、今回は「締切守」がSNSで反響を呼んだ。担当者は「ありがたいことです。 皆様に御加護がありますように祈念いたします」と感謝した。

(まいどなニュース/デイリースポーツ・北村 泰介)

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