超難関!倍率60倍を突破した福娘たち 局アナ内定の女子大生はコロナで「海外旅行行けず…」
商売繁盛の神様「えべっさん」で知られる大阪市の今宮戎(えびす)神社で、2021年1月9~11日に行われる毎年恒例の新年行事・十日戎(とおかえびす)に奉仕する令和3年度の福娘45人(留学生枠の5人含む)の発表会が11月28日、大阪市内で開かれた。
十日戎は「商売繁盛で笹持って来い」の掛け声が有名な新春行事で、福娘は例年100万人が参拝する参拝客に縁起物の福笹を授ける。69代目の福娘募集には、18~23歳の女性2348人が応募。書類審査や選考会を経て40人が選ばれた。
お披露目となった発表会では、そろいの紫色の着物、同じ色のマスクで45人が登場。司会の桂文枝さん(77)とやりとりを繰り広げた。それぞれ特技や一発芸を披露し、官公庁などを訪問する代表3人を決めた。
大阪市の会社員・谷村栞里さん(23)は、衛生用品大手ユニ・チャームの営業職。年齢制限で最後のチャンスとなった3回目の挑戦で夢をかなえ、代表にも選ばれた。「福娘はすごくなりたいものナンバーワン。大学1年生の頃から受けていた。会社からは“商売繁盛頼むぞ”と言われた」と、早くも期待をかけられていた。
フリーアナウンサーの進藤晶子さんをはじめ、福娘出身のアナウンサーが多い。女子アナの登竜門としても名高いが、神戸市の神戸大4年橋本和花子さん(22)は民放局のアナウンサーにすでに内定。新型コロナウイルスの感染拡大で「海外旅行に行くつもりが行けず…」と、海外生活を楽しむはずだった学生生活のラストで福娘に挑戦。代表にも選ばれた強運の持ち主だ。
千葉市の国学院大2年山本里咲さん(21)は「神道系の大学に通っていて神事に興味があったのと、あこがれの先輩が福娘だったので」と動機を話す。福井県在住の祖父母を思う福娘は代表に選ばれ、うれしい報告ができたと喜ぶ。
今宮戎神社の禰宜(ねぎ)松原栄一さん(57)は「明るい話題を作りたくて、私がやろう!と志願する人が多かった」と、コロナ禍での選考を振り返る。福娘45人のひとりで、大阪市の清水玲花さん(19)は「福娘になって、祖父の会社を助けるために応募しました」と腕をまくる。
福娘に選ばれ、早くも周りに福を授けた人も。母に勧められて応募した兵庫県西宮市の関西大3年フェドロブ・ディアナさん(21)は「塾の先生をしていて、教えていた子が志望の大学に合格したんです」とパワーを実感する。文枝さんは「早くコロナが収束して、来年こそは平和に暮らせるように」と、霊験あらたかな福娘に祈りを込めていた。
(まいどなニュース/デイリースポーツ・杉田 康人)