京都・宇治の公園に捨てられていた三毛猫を保護 猫は怖くないが、人間は超苦手な猫に成長
子猫ルピちゃんを保護して飼っていた加藤さん。残念ながらルピちゃんは7歳で亡くなったが、その後、ラムちゃんを保護して育て、譲渡サイトで出会ったココちゃんを迎えた。1匹でも多くの猫に幸せをつかんでほしいと、加藤さんが子猫から育てられる最後の猫として迎えたのがニコちゃんだった。
■子猫から育てられる最後の保護猫
大阪府に住む加藤さんは犬派だったが、ひょんなことで偶然出会った子猫のルピちゃんを保護して育てた。残念ながらルピちゃんは7歳で亡くなってしまったが、ルピちゃんと出会ったことで、加藤夫妻は保護猫のことを知り、2匹目のラムちゃん、3匹目のココちゃんの里親になった。夫妻は、自身の年齢と猫の寿命のことを考え、子猫から育てるのは今が限界かと思い、最後の保護猫を譲渡サイトで探した。
妻が三毛猫を飼いたいと言ったので、三毛猫の子猫を迎えることにした。
「鼻筋や片側の目じりが黒くなっていて、ちょっと残念な柄でしたが、だんだんそれも味があって可愛いとメロメロになったんです」
■先住猫の威嚇をものともしない子猫
2019年12月、加藤家に4匹目の子猫がやってきた。「笑」と書いてニコちゃんという名前にした。一緒にいつまでもニコニコと笑って暮らしたいという思いが込められている。
ニコちゃんは、2019年11月末の寒い朝、京都府宇治市の公園で発見された。近所の女性が子猫の鳴き声に気づき探してみると、段ボール箱の中にタオルと一緒に2匹の子猫(キジトラ猫と三毛猫)が入っていたので保護したという。この公園には、度々同じように子猫が置き去りにされており、女性は「今回で3回目の保護だ」と言っていた。家族に猫アレルギーがいるため飼育することができず、都度譲渡サイトに掲載しているようだった。
子猫たちは、誰かが飼育していたので、加藤家に来た時から人や先住猫を恐れることが全くなかった。先住の2匹が威嚇してもあまり恐れることなくついて回り、今では先住の2匹に自分からちょっかいを出して、取っ組み合いの喧嘩をしているという。
動物病院で血液検査など健康診断をしてもらったが、どこにも異常がなく、元気に毎日遊んでいる。
■内弁慶の食いしん坊
ニコちゃんは、とても内弁慶で、先輩猫2匹には尻尾を太くして威嚇しながら立ち向かっていくが、来客があると、瞬時にベッドの下に隠れて出てこなくなる。
「孫が遊びに来ても絶対に姿を見せず、一番食いしん坊なのに、一日中ごはんを食べないんです」
なんといっても食べることに関しての嗅覚と聴覚がすごく、先住猫にこっそりチュールなどをあげていると、舐める音を聞きつけ何処からともなく現れて横取りする。健康で、よく遊ぶ楽しい猫だという。
加藤さんは、譲渡サイトを通じて2匹の猫と巡り合ったが、譲渡サイトには猫だけでなく色んな種類の、たくさんの数の動物が、里親が現れるのを待っている。
「できたらペットショップを利用しないで、この子たちを救って欲しいといつも夫婦で話しています」
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)