シェルターにやってきた可愛い白黒の子猫、元気に走り回るが、落ち込んだ時には添い寝してくれる優しい猫に
埼玉県に住む渡辺さんは、1匹目の保護猫リリィちゃんを迎えたのをきっかけに保護団体のボランティアになった。真夏の子猫ラッシュの季節、次から次へと保護され、シェルターにやってくる子猫たち。渡辺さんは1匹の白黒猫の虜になった。
■保護猫リリィちゃんに出会ってボランティアになる
埼玉県にある大きな団地の敷地内に「三毛猫と白黒の子猫が2匹いる」と保護団体「にゃいるどはーと」に連絡が入った。兄妹だった。2018年7月16日、ボランティアは、捕獲器を使い保護した。子猫たちは、まだ生後2カ月くらいだったが、近くに母猫の姿は見当たらなかった。
渡辺さんは保護猫のことを全く知らなかったが、リリィちゃんという猫と出会って保護猫の存在を知り、「何か私にも猫たちを助けることができないか」とネットで検索した。近くの保護団体「にゃいるどはーと」が掃除ボランティアを募集しており、また、その日の午後に譲渡会があると知り、慌てて向かったという。一時期、仕事が多忙になったためボランティアを止めていたが、やはり保護猫のことが気になってにゃいるどはーとに復帰。今も月2回ほど掃除の手伝いをしている。
夏場は子猫のベビーラッシュ! 子猫がたくさん保護されて、次から次へとシェルターにやってきた。週に1度の夜の掃除ボランティアも、19時から始まって23時に終わることもあった。
■とびっきり可愛い白黒の子猫
とにもかくにも多忙だったので、渡辺さんは、2匹の子猫がシェルターに来た時、「また子猫が来たー!」と思っただけで、それ以上気に留めることもなかった。
「でも、カツラを被ったような白黒猫はぬいぐるみのように可愛くて、お世話をしながら抱っこしては可愛い、可愛いと言っていました」
当時、白黒の子猫は他にもたくさんいたが、渡辺さんは、「ずば抜けて可愛い」と思うようになった。
2018年7月30日、団体の代表に「そんなに気に入ったんだったら今夜連れて帰っていいよ~」と言われ、急遽渡辺さんが家に連れて帰ることになった。一緒に保護された子猫も後に里親がみつかった。
当時、渡辺さんは、真っ白な子猫ソルトくんのトライアルを始める予定があったので、ソルト&ペッパーだと可愛いなと思い、子猫の名前をペッパーくんにした。
■へこんでいると添い寝してくれる
突然現れたペッパーくんに、先住猫のリリィちゃんは、「ウーシャー!寄ってくるな!」と怒ったが、ペッパーくんは、全くリリィの威嚇をものともしなかった。空気を読む気もなく、ぐいぐいリリィちゃんに近づいた。ぴょんぴょん飛び跳ねて遊びに誘うペッパーくん。最後はリリィちゃんが根負け、弟猫を可愛がった。今でも一番かわいい子のようだという。
ペッパーくんは、とにかくフレンドリー。玄関のチャイムの音にすぐさま反応し、宅配便のドライバーさんだろうと誰だろうと「こんにちはー」と出て行く子。ただ1歳になるまでは、下痢や嘔吐が多く月1回は病院へ行っていた。
元気に走り回り、毎日ボリュームMAXで鳴く要求猫になったが、渡辺さんがへこんでベッドに横になっていると、静かに側で寝てくれる。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)