人懐っこい子猫と人見知りの子猫、どちらか1匹の保護猫を選ぶつもりが…2匹一緒に飼って幸せいっぱい
木村さんは、愛犬を亡くして5年、もう一度犬を飼おうと思っていた時期だった。マンションの規約に合う大きさの犬を探すのは難しく、譲渡サイトで猫を探し始めた。背中に天使の羽のような模様のある白キジの子猫に惹かれ、同じボランティアが預かっていた白黒の子猫にも会ってみることにした。飼うのは、どちらか1匹にするはずだったのだが…。
■天使のような羽模様のある子猫
神奈川県に住む木村さんは、2015年に愛犬のチワワを7歳で亡くした。リンパ腫だった。その後、長女が産まれたのでペットを飼わなかったが、2020年、もうそろそろ犬を飼おうかなと思っていた。譲渡サイトで犬を探したが、マンションの管理規約に合う大きさの犬を探すのが難しく、猫を飼うことを考えていた。
家族で沖縄旅行に行った時、ホテルに野良猫の子猫が2匹いて、子供達も「連れて帰りたい」と言うほど可愛かった。帰宅後、家族会議を開いて全員一致で猫を飼うことに決まった。再び譲渡サイトで猫を探し始めた。
譲渡サイトに掲載されていた、「ほたるの背中には羽がある」というタイトルの猫を発見。千葉県動物愛護管理センターから保護団体ちばわんが引き出した子猫だった。生後3カ月。木村さんはほたるちゃんに会ってみたくなった。写真には白黒の子猫も写っていたので、兄弟ではなかったが、その子も見てみることにした。ただ、一度に2匹も飼うのは大変なので、どちらか1匹だけにしようと思っていた。
■人懐っこい子と人見知りの子、どちらも可愛い
8月22日、預かりボランティアの家にお見合いに行くと、ほたるちゃんは、まるで木村さんが飼うと分かっているかのように、家族の周りに来た。野良猫だったが、もともと人懐っこい性格だった。もう1匹のすみちゃんは、ほたるちゃんとは正反対。人には近づかず、机の下に隠れていた。時間が経つと出てきて、少し触ることができたという。
「そらはなついてかわいいし、うみは引っ込み思案な感じで、守ってあげたいと思いました。帰り道、車の中で家族に、『やっぱり2匹飼ってもいいかな』と言うと、『まだ2匹飼うことにしてないの?』と、あきれ顔でした」
8月29日、預かりボランティアが、2匹を連れてきてくれた。名前は、ほたるちゃんをそらちゃん、すみちゃんをうみちゃんにしようと子供たちが決めた。沖縄の美しい空と海にちなんでいる。
子猫たちはキャリーバッグの中から様子をうかがっていて、最初にそらちゃんが、次にうみちゃんが出てきた。室内をあちらこちら探検していたが、ボランティアが帰った後はソファの下に隠れてしまった。
初日も翌日朝もごはんを食べず、2匹はずっとソファの下に引っ込んでいた。午後になるとようやく出てきて、やっとごはんを食べてくれた。慣れてくるにつれてソファの下にいる時間が減っていき、最近はソファの下にいることはなくなったという。
■保護猫を引き取るメリットも分かってほしい
そらちゃんは、大きいけど穏やかで優しい子。うみちゃんは、引っ込み思案だと思っていたら、実はすごいやんちゃだった。毎日、2匹で走り回ったりじゃれたりしている。
「2匹ともお風呂が好きで、特にそらはお風呂を用意し始めると、お風呂のふたに乗っていつ入るのかと待っています。ちなみにお風呂といっても、濡れないおふろのふたの上にいます」
木村家は、長女がまだ小さいので普段からにぎやかだったが、より一層にぎやかになった。朝から晩まで、会話の中心は2匹の猫のこと。子供がよく面倒を見て、かわいがっている。まだやんちゃすぎて夜は一緒に寝れないが、いつか一緒に寝れることを楽しみにしている。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)