無責任なエサやりの結果生まれた子猫たちと「運命の出会い」…キラキラに輝く毎日を「ありがとう」
大阪市に住む大田さんは、実家で猫を飼っていて、猫のいる暮らしが当たり前のようになっていた。一人暮らしを始めて、猫を飼いたいと思っていた矢先、会社の同僚から「子猫を保護した。飼いますか」という連絡を受けた。
■即決で「飼います」と返事
2020年8月、大阪市に住む大田さんのところに、職場の同僚から早朝連絡があった。「自宅の庭に子猫が2匹いたので、とりあえず保護したけど、飼いますか?」ということだった。大田さんは、周囲の人に「猫がほしい」とずっと言っていたので連絡をくれたのだが、即決で「飼います」と返事をした。
同僚の自宅近くには、餌をばら撒いて放置している人が住んでいるらしく、不妊手術をしていない野良猫が、野放しのまま15匹以上いるという。猫の他にもアライグマやキツネ、カラス、鳩などの動物が、その家にやって来て餌を食べるので、そこら中にフンがあり、近所の人が何度も注意をしているが、一向に収まらないそうだ。
不妊手術をしていない猫がたくさんいるため、次々と子猫が産まれるのだが、保護した子猫も、そのうちの2匹ではないかと考えられている。体が小さく、生後1カ月くらいだったので、そのまま素手で捕まえられたという。この時、母猫が近くにいたので一緒に保護できたらよかったが、逃げてしまい、それ以降は姿を見せなくなった。
子猫たちは結膜炎がひどく、衰弱していた。近所にアライグマやキツネがいたので、このままでは襲われてしまう、命が危ないと保護された。そのまま同僚が動物病院に連れて行った。幸い他には病気がなかった。
■小さく、目ヤニでカピカピの子猫たち
大田さんは、実家で猫を飼っていた。近所には捨て猫や野良猫が多く、その猫たちを保護して飼っていたので、猫のいる生活が当たり前のようになっていた。親元を離れ、仕事が落ち着いてきた時、やはり猫と暮らしたいと思い、ペットを飼えるマンションに引っ越した。子猫の話を聞いた時、ちょうどどこかから猫を迎える準備をしていたところだったので、タイミングが良く、大田さんは運命的な出会いだと思った。
8月下旬、子猫を見に行くと、男の子、女の子の兄妹猫で、とても身体が小さく、目ヤニもひどかった。お世辞にも可愛いという感じではなかったが、大田さんは2匹を連れて帰った。
ごはんも水も自力では口に入れられないので、2週間ほどスポイトで2時間おきに与えた。大田さんのところに来た時は2匹とも怯えていたが、だんだん慣れてくると一緒に遊ぶようになった。その頃から、ごはんも自らよく食べるようになったという。
■がんばって、この子たちを幸せにしたい
大田さんは、男の子を「もスケくん」と名付けた。和風の名前で他とはかぶらないものがいいと思ったそうだ。和風の響きが好きだったので、女の子は「こまちゃん」にした。
2匹とも甘えん坊。夜寝る時は、必ず大田さんと一緒に寝る。
「2匹とも私の顔の近くで寝るのですが、ゴロゴロという喉の音が爆音で聞こえます」
得意技はジャンプ!おもちゃが大好きなので見つけたら目を光らせて大きくジャンプして、たくさん遊ぶ。大田さんが湯船に入っている時は、2匹とも浴室にいて、お湯で遊んでいるという。
大田さんは、2匹のおかげでまた毎日がキラキラ輝いているという。
「この子達のために仕事ももっと頑張ろうと思いますし、たくさんの幸せをありがとうと心から感謝しています」
もスケくん、こまちゃんが生涯を終えるその時まで、たくさん愛情を注いで、幸せだったなあと思ってもらいたいと大田さんは願っている。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)